スマートウォッチのPebbleの創業者として知られるEric Migicovsky氏が、smallandroidphone.comというサイトを開設し、小型Androidスマートフォンの開発をスマートフォンメーカーに働きかけるための署名活動を開始した。

Migicovsky氏は、ポケットに入れて持ち歩けて、軽く、片手で落とさずに操作できるスマートフォンを求めている。Xperia Z5 Compactを気に入って使っていたが、XperiaのラインナップからCompactがなくなり、他のAndroid端末メーカーも最新のミドルハイから上位で小型スマートフォンを作っていない。そのためiPhone 13 miniを使い始めたが、ハードウェアには惚れ込んでいるもののiOSになじめずにいる。

同氏が実現してほしいと思っている小型Android携帯は、(1)6インチより小さいディスプレイ、iPhone 13 miniに相当するサイズとデザイン品質(2)Pixel 5と同等以上のカメラ(3)純正のAndroid OS。価格は700〜800ドル。

小型スマートフォンが少なくなっていることから分かるように、片手で操作できるサイズのスマートフォンを求める人は減少している。だが、熱心な支持者が存在する。それらの声を集めて、小型機種への関心を失ったスマートフォン・メーカーの心を動かすのがMigicovsky氏の狙いだ。メーカーは問わない。Pebbleでハードウェアを手がけてきた経験からメーカーが開発に乗り出す仕組みを理解しており、説得の材料として50,000人以上の購入に関心のある人の賛同を目標にしている。

小型スマートフォン市場では、AppleがiPhone 13 miniを最後にminiを打ち切り、売れ行きが安定しているiPhone SEに集中する可能性が報じられている。小型でミドル帯以下ならともかく、ミドルハイ以上だとAppleも苦戦する条件になる。その点についてMigicovsky氏は、iPhone全体の5%を不振と見るのはAppleだからであり、他のスマートフォンメーカーにとって年間約1,000万台は心ひかれる数字であると指摘する。

50,000人以上の署名を達成してもどこのメーカーも作らなければ、「自分で作るしかないのでしょうが、そうなるのは本当に困る」と、自ら開発に乗り出す可能性もほのめかしている。しかし、署名開始から1日あまりで10,000人を突破してからの増加ペースが鈍い。少しずつ伸びてはいるものの、メーカーがミドルハイ以上で小型スマートフォンを手がけない理由を裏付ける結果にもなりかねない。