インターネットイニシアティブ(IIJ)は4月22日、オンライントークイベント「IIJmio meeting #32」を開催した。MVNO・スマートフォン関連のディープな話題が扱われる同イベントだが、今回はiPhoneで発生した緊急通報ができない問題や、SIMの設計についてなど、幅広いジャンルにわたって進められた。レポートをお届けする。

  • オンライントークイベント「IIJmio meeting #32」

まずは恒例となった、前回(10月)から3月までのIIJmioの動向を紹介する「IIJmio update」が、IIJの堂前清隆氏から発表された。ここでは新しい通話定額プラン「みおふぉんダイアル かけ放題+」や、タイプD/タイプAの違いによる定額通話やSNSブロック機能の違い、諸手続きの変更、新しく扱いが開始された端末などが紹介されたが、目を引いたのはデータ専用回線の電話番号が「14桁」になるという話題だ。

  • 最近はSIMと関係ない機器の販売も行われている。面白いところではゲーミングPCや、キータッチにこだわりがある人向けにメカニカルスイッチを採用したキーボードなどがある

携帯回線では、「090」「080」「070」で始まる11桁の電話番号が割り当てられている。さらにデータ専用回線の電話番号には「020」で始まる番号が割り当てられている(古くから使っている人の場合は異なる)が、この番号で識別できるのは最大で9,999万9,999台までだ(実際には0でスタートする番号がないなど、もっと少ない)。5GとIoTの普及により、早晩番号が枯渇する恐れが現実のものとなってきた。そこで総務省は2019年に、2021年までに020で始まる番号を14桁にすることを決めていたが、少しズレ込んでようやくスタートしたわけだ。

  • 携帯電話番号はすでに人口の2倍近くに達している。次に番号が枯渇しそうなときは「060」が解放されると予想されている

14桁化した電話番号は「020-YYYYYY-XXXXX」と、020を除くと、前半6桁+後半5桁の組み合わせになる。実際には020−0YYYYY-XXXXX」と、0で始まる番号が14桁化されるので、10桁=99億9,999万個の番号が増えることになる。

未開拓の番号なので、せっかくだから超良番を取りたいという人もいそうだが、020で始まる電話番号はデータ専用ということもあり、純粋な識別番号という位置付けだ。MNPの対象にもならないので、一度掴んだら持ち続けるしかない。当面は通話可能回線やSMS対応回線には関係ない話だが、システム開発などに携わっている人は14桁対応について、知っておいた方がいいかもしれない。