何気なく接続したWi-Fiアクセスポイント名(SSID)を見てみたら、すぐ下に「安全性の低いセキュリティ」と表示されていた...なにやら不穏な響きですし、実害がありそうで気になりますよね。

このメッセージは、Wi-Fiアクセスポイントへの接続に用いられている暗号化技術が"古い"ときに現れます。iPhone 7以降では、2022年3月時点の民生向け無線機器では強力とされる「WPA3」および「WPA2-AES」に対応しており、Appleはその利用を推奨しているのです。

WPA3とWPA2-AES以前の暗号化技術で接続していることをシステムが検出すると、『設定』→「Wi-Fi」画面の接続中SSID近くに「安全性の低いセキュリティ」という警告文が現れます。この警告文を消すには、Wi-Fiアクセスポイントの暗号化技術をWPA3またはWPA2-AESに変更するしかありません。

Wi-Fiの暗号化技術としては、これまでWEPやWPA2が利用されてきましたが、容易に解読されてしまうようになったため、最新のセキュリティ技術を取り入れ暗号化強度を高めたWPA3が登場しました。WPA3で通信するにはWi-Fiルータ側の対応が欠かせませんが、対応しているのはめやすとして2020年以降に発売された機種となります。

ところで、Wi-Fiの暗号化技術は、正確には「暗号規格」と「暗号方式」に分けることができます。WPA2-AESの場合、暗号規格がWPA2で暗号方式はAESという意味です(WPA3は基本的にAESを利用するため後半は省略)。現在も少し旧型のWi-Fiアクセスポイントで利用されているWPA2-TKIPは、暗号方式のTKIPが現在の水準では安全性に難ありとされているため、iOS 15では「安全性の低いセキュリティ」と表示されてしまいます。

  • Wi-Fiに表示された「安全性の低いセキュリティ」を消すには