final・agの製品が聞き放題。試作品の飛び入り試聴も!?
新しいfinal STOREでは、開店初日に訪れた数人の来場者が店舗スタッフと談笑したり、思い思いにヘッドホンの試聴をしたりして午後のひとときを過ごしていました。秋葉原にあった店舗よりは奥行きが短いものの、幅が少し広くなり、全体としてはゆったりした空間になっている印象を受けました。
さらに、開発中の製品を試聴できる機会も。ストアにはフラッグシップヘッドホン「D8000」の開発過程のプロトタイプや、現在開発中の「D6000」のプロトタイプが用意され、希望すれば試聴も可能です。
面白いのがD6000で、最近はあまり見かけなくなった耳かけ式ヘッドホンのような形をしており、内部にD8000の振動板を切ったものを搭載。森氏によると、開放型なのに音が漏れず、それでいて装着していても外の音は聞こえるとのことで、「(サウンドは)部屋の中から突然音が立ち上がる感じ。ワイヤレスになれば夢のような製品」と話していました。
開発の現場とストアが同じビルに入っているので、エンジニアが「これ面白いからお客さんに見せちゃおう」といったノリで、飛び入りで試作機を持ち込むこともあるかもしれない、と森氏は話していました。コロナ禍でポータブルオーディオの世界でもリアルの場でのコミュニケーションが減ってきている中ではありますが、ここは実店舗ならではの面白さが味わえそうです。
final STOREではオーディオ機器だけでなく、オリジナルスイーツやお酒なども用意。自分だけの楽しみに浸り、リフレッシュの時間に充てるポータブルオーディオマニアに向けたセレクトアイテムとして展開していきます。取材時はクラフトビールの「UNITE」と「UN」(各900円)を販売していました。
プレオープンイベントの来場者のために用意していたfinalオリジナルスイーツ「ピアノフォルテ ショコラ」の姿も。finalのイヤホン事業の黎明期を支えたという「Piano Forte」をイメージした3種のショコラで、「スパイスとチョコレートがマリアージュする絶妙なバランスと、時間の経過につれてダイナミックに変化する香りを楽しめる」とのこと。
ほかにも、趣味性の高いアイテムをこだわりのある人向けに取り扱っていくようで、取材時にはイヤホン置き場としても使えるスウェーデン発の小さな食器などが並べられていました。これらの価格は、高いものではミドルクラスのオーディオプレーヤー程度(5~10万円)にもなるそうです。
final STOREを出てすぐの場所には、秋葉原の店舗で置かれていた防音室をそのまま移設。1時間の予約制で、開放型ヘッドホン「D8000」などが楽しめるスペースとなっています。今回訪れたときはまだ準備中でしたが、1~2週間以内にはサービスを再開予定。JRの高架下にあった以前の店舗よりも堅牢な建物の中にあるため、より静寂な空間で高級オーディオを堪能できることでしょう。