伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)と日本IBMは11月12日、CTCのクラウド分野におけるサービスラインアップの拡充や事業拡大を目的に、戦略的パートナーシップを強化すると明らかにした。

CTCでは、ITインフラへの多種多様化するニーズや課題に対して、クラウドやマネージドサービスの「OneCUVIC」を展開しており、各サービスの強化を進めている。

特に注力する取り組みとして「ホステッドクラウドサービスのCUVIC(キュービック)シリーズの機能拡充と提供範囲の拡大」「パブリッククラウドの顧客提供価値の強化とユーザー企業の利便性向上」「従来型データセンターからハイパースケール型データセンターへの刷新」「ハイブリッドクラウド・マルチクラウドの統合状態監視(オペレーション、セキュリティ、省エネルギーの可視化)」の4点を進めており、今回のパートナーシップ拡大もその1つ。

パートナーシップにおいては両社のサービスを組み合わせOneCUVICを拡充し、強化することを検討。具体的には、(1)ITインフラ利用型サービス、(2)アプリケーションのモダナイズ化を支える基盤サービス、(3)マルチクラウドインテグレーション、マネージドサービス、(4)マルチクラウド環境下におけるマネージドセキュリティサービスの4つの分野でサービスを拡充することでITインフラのクラウド適用とアプリケーションのクラウド化を加速させ、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する。

  • OneCUVICのイメージ

    OneCUVICのイメージ

ITインフラ利用型サービスは、基盤デプロイスピード、構成種類、分散クラウド時代を見据えた設置場所などの多様性・柔軟性の向上、基幹システムが求める性能要件に対応したハードウェアによる仮想化制御、大容量メモリ構成への対応による性能の向上を図る。

アプリケーションのモダナイズ化を支える基盤サービスでは、コンテナライズされたアプリケーションの開発・実行基盤機能の実装、XaaS(さまざまなファンクションサービスの拡張。例:在宅ワーク向けVDI、AI、自動化など)に取り組む。

マルチクラウドインテグレーション、マネージドサービスについては、CUVICや各種パブリッククラウド(Amazon Web Services、Microsoft Azure、Google Cloud Platformなど)のインテグレーションサービス(設計・構築・実装)の拡充、マルチクラウド環境下のワンストップ運用サービスの拡充を行う。

マルチクラウド環境下におけるマネージドセキュリティサービスに関しては、ITインフラへの脅威を検知、対策を行うセキュリティ監視、インシデント対応サービスの拡充、顧客のアプリケーションやサービスへの脅威を予兆・防御するアプリケーションマネージドサービスを拡充していく。

両社が組み合わせを検討するサービス、プロダクトはCTCがCUVICシリーズ、データセンターサービス、マルチクラウドマネージドサービス、コンテナ型仮想化の活用支援サービスのC-Native、IBMはIBM Cloud、サーバのIBM Power、分散クラウドのIBM Cloud Satellite、KubernetesプラットフォームのRed Hat OpenShift、段階的・継続的にIT運用を改善していくAIを活用した基盤のIBM Cloud Pak for Watson AIOpsに代表される各種ミドルウェアなどとなる。

今回の取り組みにより、現在3つのデータセンターから提供しているCUVICシリーズは、第4・第5(東日本・西日本)のデータセンターを加え、IBM Cloudとつながり、全世界60拠点以上に展開するデーセンターネットワーク上のIBM Cloudを利用して両社のビジネスを拡大していく考えだ。

また、CTCでは今回の取り組みに加え、今後は積極的にサービスを展開することにより、OneCUVICクラウドサービス事業を今後4年間で約650億円規模への拡大を目指す。