大日本印刷(DNP)は、次世代の半導体パッケージ向けの中継部材インターポーザを開発したことを11月12日に発表した。

  • インターポーザの役割

    インターポーザの役割(出典:DNP)

半導体製品の高機能化・高速化・低消費電力化には、シリコンウェハ上のパターンの微細化技術が必要だが、プロセスの複雑化と高コスト化により、さらなる微細化が限界に近づいており、そうした状況の中でさらなる性能向上を実現する手法として、CPUやメモリなど、機能の異なる複数のチップを1つの基板上に高密度で実装し、処理速度を向上させる次世代パッケージング技術が注目されている。

DNPは、印刷プロセスから応用・発展させたコアテクノロジーである「微細加工技術」を活用して、半導体回路パターンの描画用原版「フォトマスク」や次世代のパターン転写技術であるナノインプリントリソグラフィ用「テンプレート」の製造、センサなどのMEMSのファウンドリサービスなどを広く展開してきたが、今回、そうした事業を通じて培った、ガラスやシリコンの基板加工およびハンドリング技術、微細配線形成技術を応用して、高性能なインターポーザの開発に成功したという。

  • インターポーザ

    ガラス基板で作製したDNPのインターポーザ(40mm×40mm)(出典:DNP)

このインターポーザを配線の微細化によって顕在化する“配線層の劣化に伴う配線抵抗の上昇や配線間絶縁性の低下”といった課題を解決し、次世代の半導体パッケージに必要な高性能かつ微細な配線を実現するとしている。

DNPは、2024年のインタポーザ量産化に向けて、次世代半導体の実装技術や評価技術を確立することを目的とし、半導体実装材料・装置の開発に携わる企業12社が参画するコンソーシアム「JOINT2」に参画。JOINT2における開発と参画企業との協業により、今後もインターポーザの機能開発と量産化の取り組みを加速し、次世代半導体のパッケージング技術の開発を推進していくとしている。