ソニーは、薄型テレビ「BRAVIA XR」と組み合わせてDolby Atmosなどの立体音響コンテンツが楽しめ、音場の個人最適化も可能なワイヤレスネックバンドスピーカー「SRS-NS7」を10月29日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭価格は33,000円前後を見込む。

  • SRS-NS7

BRAVIA XR(A90J/A80J/X95J/X90J)で見ているネット動画やBlu-ray Discなどの音声を立体的なサウンドで楽しめるネックスピーカー。主に、映画やテレビを夜に視聴したくても、近所に配慮して大音量で楽しめない人や、耳をふさがずにテレビを見たいといったニーズに応える。同梱のワイヤレストランスミッターは単品でも同日に発売し、店頭価格は7,000円前後を見込む。

  • SRS-NS7に同梱のワイヤレストランスミッター「WLA-NS7」

ソニーのネックスピーカーには、新製品のSRS-NS7のほかにも、ゲームや映画などを迫力あるサウンドとバイブレーション機能で楽しむエンターテインメント向けの「SRS-WS1」(2017年発売)と、テレワーク向けにオンライン会議での通話に適した機能を備えた「SRS-NB10」(2021年発売)があり、これらは引き続き販売する。

  • SRS-NS7の利用イメージ

SRS-NS7の主な特徴

SRS-NS7に同梱のワイヤレストランスミッターを光デジタルケーブルでBRAVIA XRにつなぎ、ネックバンドスピーカーとトランスミッター間はBluetoothで接続。BRAVIA XRで見ているDolby Atmosの立体音響コンテンツを臨場感あふれる音場で体感できる。

  • SRS-NS7のネックバンドスピーカー

  • ワイヤレストランスミッターの背面端子

  • SRS-NS7は体格の大きな男性が装着するとサイズ感がピッタリ

  • SRS-NS7を女性に装着してもらうと、サイズ感がやや大きく感じられる

BRAVIA XRを最新ソフトウェアにアップデートし、ワイヤレストランスミッターをつなぐと、TVリモコンの「クイック設定」を押したときに画面下に表示されるクイック設定メニューに「3Dサラウンド」の項目が現れる。ここをオンにすると、地デジ番組やYouTubeなどのステレオ音声も立体的な音で楽しめるようになる。なお、BRAVIA XR以外のテレビとの接続時は2chのネックスピーカーとして使えるが、立体音響再生には対応しない。

  • BRAVIA XRのリモコンの「クイック設定」。ここを押して、クイック設定メニューの中から「3Dサラウンド」の項目を選べる

  • BRAVIA XR側のBluetooth設定画面ではこのように表示される

SRS-NS7では、ソニー独自の独自の立体音響技術「360 Spatial Sound Personalizer」を活用しており、同名のスマホアプリや「Headphones Connect」アプリであらかじめ設定することで、音場をユーザーごとに最適化して臨場感を増した音で楽しむこともできる。ユーザー自身の耳の写真を撮り、独自の推定アルゴリズムで個人の聴感特性を解析することで実現している。

デフォルト設定のままでもかなり迫力のある立体音響サウンドが楽しめるが、アプリを使って最適化を試してみたところ、音場の広がり感より広く変化することを実感できた。

  • 360 Spatial Sound Personalizerアプリでユーザーの耳に合わせて音場を最適化しているところ

  • 最適化した聴感特性データはソニーのクラウド上にアップロードされ、BRAVIA XR側にダウンロードして適用する。設定画面で切り替えたり、削除・再ダウンロードしたりすることも可能

ネックスピーカーは、ソニーのテレビやサウンドバーなどでも採用している「X-balanced Speakerユニット」をコンパクトにしたフルレンジユニットと、パッシブラジエーターを左右に各1基ずつ内蔵。フルデジタルアンプのS-Masterも内蔵する。

  • ネックバンドスピーカーのカバーを外したところ。左右にX-balanced Speakerユニットが見える

  • 内部のパッシブラジエーター

SRS-WS1のような振動機能は備えていないが、実際に試してみるとパッシブラジエーターには迫力があり、音量を上げると肩に振動が伝わる。

  • パッシブラジエーター(左)とX-balanced Speakerユニット(右)

Bluetooth 5.0準拠で、対応コーデックはSBC/AAC/LDAC。SRS-NS7はテレビと組み合わせて使うことを想定しており、同梱のワイヤレストランスミッターとはSBC接続となるが、手持ちのスマートフォンやAndroidウォークマンなどとBluetooth接続し、360 Reality Audio楽曲を立体的なサウンドで楽しむこともできる。スマホやウォークマンとはAACやLDACでの接続も可能だ。ほかにも、ハンズフリー通話やマルチポイント接続に対応する。

ネックスピーカー本体はIPX4防滴仕様で、連続再生時間は約12時間、充電時間は約4時間。10分の充電で60分使える急速充電にも対応する。充電端子はUSB Type-C。同梱のワイヤレストランスミッター「WLA-NS7」もUSB Type-C給電に対応する。本体サイズは約244×185×53mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約318g。

  • IPX4防滴対応で。キッチンなど水回りでも使える

トランスミッターは単品でも発売され、ソニーのワイヤレスヘッドホン「WH-1000XM4」や完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」などと組み合わせて、BRAVIA XRの立体音響を楽しむことを想定している。

ソニーの対応ヘッドホン/イヤホンを既に持っている人は、SRS-NS7(ネックスピーカー)ではなくトランスミッターのみを買い足すことで、BRAVIA XRで再生しているDolby Atmosなどの立体音響コンテンツを楽しめるようになる。WLA-NS7に対応するヘッドホン/イヤホンは以下の通り。

  • WH-1000XM4
  • WF-1000XM4
  • WH-1000XM3
  • WF-1000XM3
  • WI-1000XM2
  • WH-XB910N
  • WH-XB900N
  • WH-XB700
  • WH-H910N
  • WH-H810
  • WF-C500