シャープは、水分をたっぷり含んだ高温状態の「過熱水蒸気」でパンを焼くウォーターオーブン専用機「ヘルシオ グリエ(AX-GR2)」を10月7日に発売します。価格はオープン、推定市場価格は31,000円前後です。新製品の特徴をオンラインセミナーからお届けします。
ヘルシオ グリエは、シャープのウォーターオーブン「ヘルシオ」と同じ過熱水蒸気エンジンを備えています。
過熱水蒸気とは、100℃の水蒸気をさらに加熱した気体のこと。無色透明の気体ですが熱量が大きく、シャープによると「ヘルシオの過熱水蒸気はオーブンレンジ(熱風)の約8倍の熱量」とのこと。大きな熱量で食品の内部まですばやく加熱します。
その過熱水蒸気を使って美味しくパンを焼こうというのが、今回の新製品、ウォーターオーブン専用機「ヘルシオ グリエ(AX-GR2)」。たっぷりの過熱水蒸気がパンを包み込み、パンの内部に水分を与えて閉じ込めるため、ふんわり美味しく焼き上がるというわけです。仕上げには高温の過熱水蒸気で焼き上げ、パンの表面をサックリと仕上げます。
通常、パンは時間の経過とともに徐々に水分を失っていき、味や風味が損なわれます。シャープが話を聞いたパン職人によると、パンは「窯から出した焼きたてが水分たっぷりで一番おいしい。しかし、パンに含まれる水分量はどんどん減っていくため、時間が経つとおいしくなくなる。そのおいしさを家庭で味わえないことが非常に残念だと思っている」とのこと。
美味しいパンには水分が必要というわけです。そこに注目して、一部の高級トースターでは、トーストするときにスチームを発生させるものも登場しています。そんなスチームを出すトースターと、ヘルシオ グリエ(AX-GR2)の大きな違いは「生食パン」モードです。
生食パンモードは、たっぷりの過熱水蒸気で食材の内部をふわふわにしてから、表面に焼き目をつけずに柔らかい状態に仕上げます。冷凍したパンや日数の経過したパンはトーストにするしかありませんでしたが、このモードを使えば、窯出し当日のようなふわふわの食パンを楽しめるんです。
最近、とろけるような食感の食パンをウリにした高級食パン専門店が増えています。こうしたお店の多くは、少量ではなく1斤や2斤まとめて買うため余らせてしまうんですよね。ヘルシオ グリエ(AX-GR2)の生食パンモードで仕上げると、いつでもふわふわパンに戻して食べられるのはうれしいですね。
また、モードによってに過熱水蒸気の温度をコントロールするため、トーストモードでは中ふんわり・外こんがりに仕上げます。
専用のコーティングトレイで作れるメニューが増えた
このほかヘルシオ グリエ(AX-GR2)では、専用のコーティングトレイで作れるメニューを拡充。従来は、お惣菜の温めや、トースト・卵・野菜を同時に加熱する「モーニングセット」など簡単な調理を楽しめましたが、新製品では「さけの香草焼き」や「ごろごろ野菜焼き」といったおかず、「ブラウニー」「フレンチトースト」といったスイーツも作れるようになり、レパートリーが広がりました。
ヘルシオデリで、冷凍クロワッサンを販売
ヘルシオ グリエ(AX-GR2)の発売と同時に、シャープの食材宅配「ヘルシオデリ」で厳選国産素材を使用した冷凍クロワッサンの販売を開始します。ヘルシオ グリエ(AX-GR2)で温めると、窯から出したてのような中ふんわり外サックリとした食感のクロワッサンが楽しめます。
今回、試用機に触れる機会があったのですが、冷凍クロワッサン(2個)なら「中モード」で4分半、4個なら同じく中モードの6分で仕上がります。
バターの良い香りが部屋の中に広がって、焼き上がったクロワッサンはサクサクで軽い食感。バターと小麦の風味が美味しく、あっという間に食べてしまいました。カフェ・オ・レなどと合わせれば、カフェにいるような気分で楽しめます。
窯出しのパンの再現は魅力的
短時間ですが試用機を使ってみた印象は、シンプルな操作で迷わず使える調理家電ということ。冷凍したクロワッサンは中までしっかり温まり、バターの香りが豊かで美味しかったです。過程で冷凍した食パンをふわふわに戻せるのは、パン好きにはうれしい機能ではないでしょうか。
また、過熱水蒸気で揚げ物を温めると、余分な油が落ちてサクッと仕上がって美味しくなります。過熱水蒸気を搭載しているオーブンレンジはいくつかありますが、だいたいは本体が大きいので、置き場所の問題で購入を見送っている家庭も多いと思います。そうした製品と比べてコンパクトなヘルシオ グリエ(AX-GR2)は、置き場所の自由度が高いところも魅力的です。トースターを検討している人はぜひチェックしてみてください。