触覚タッチとは、Haptic(=触覚による)Touchの和訳で、iOS 13から用意された機能です。6s以降のiPhoneには、ディスプレイ表面を強めに押し込むことで特別な機能を果たす「3Dタッチ」というしくみが搭載されていましたが、iPhone XR以降は"物理的に押し込まず長押しする"触覚タッチが取って代わっています。
その利点は、タップ/ダブルタップせずにアプリの機能を呼び出せることにあります。たとえば、メモアプリで新規メモを作成するときには、メモアプリをタップで開いてから画面右下の新規メモボタンをタップするという手順を踏まなければなりませんが、触覚タッチすると現れるメニューで「新規メモ」をタップすればOKです。かんたんにいうと、触覚タッチを使えば利用頻度の高い機能をすばやく呼び出せるのです。
指先に操作のフィードバックがあることもメリットです。長押ししたときに画面を軽く振動させることで、通常の操作(タップ/ダブルタップ)とは異なる操作として認識されたことがユーザに伝えられます。画面を長押ししたとき指先に"コツン"と感じる反応こそが、触覚タッチという名前の由来です。
3D Touchとの違いは、触覚タッチが導入されたiOS 12当初は存在しましたが(3D Touchと比較してできることが少ない)、iOS 13以降はほぼ同等になりました。3D Touchとは異なりディスプレイに圧力センサーを必要としないため、製造コスト面で有利とも考えられます。
触覚タッチは感度を調整することが可能です。『設定』→「アクセシビリティ」→「タッチ」→「触覚タッチ」の順に画面を開き、「遅く」にチェックを入れると、画面の長押しを開始してから反応があるまでの時間が長くなります(初期値は「速い」)。誤操作が多い場合に変更するといいでしょう。