楽天は8月11日、楽天グループの2021年度第2四半期決算説明会を実施した。このなかで楽天モバイル代表取締役会長兼CEOの三木谷浩史氏は、楽天モバイルのユーザー数が500万人に近づいていると紹介した。

  • 累計契約申込数が2021年6月時点で442万を超えた

人口カバー率は90%超、基地局開設に遅れ

モバイル事業については「堅調な成長を遂げた」とし、楽天モバイルのMNO利用者の62.9%が楽天市場を利用するなど、楽天エコシステムとのシナジー効果が高いと強調。楽天モバイル単独ではなく、複合的にサービスを伸ばしていくとアピールした。

また、楽天モバイルの山田善久代表取締役社長は、MNOサービスの累計契約申込数が2021年6月時点で442万を超えたと説明。新規よりもMNPによる乗り換え利用が増加しており、特に他キャリアからの流入が増えたとした。

自社エリアの人口カバー率については2021年6月末時点で90%を達成したが、半導体供給不足の影響を受け、当初2021年夏を予定していた人口カバー率96%の目標は2021年内へ延期する。山田社長は、総務省に提出している基地局開設計画からの遅れはないと補足した。

  • 人口カバー率96%の達成は半導体供給不足が解消次第達成される見込みという

ローミング費用が大きな負担に

楽天グループ モバイルセグメントの2021年度第2四半期業績は、売上収益が514億6,200万円、営業損失は996億8,600万円で、前年同期から赤字幅は459億円拡大した。同セグメントには楽天コミュニケーションズ、MNO事業、MVNE/O事業、エナジー事業、コンテンツ事業などが含まれる。

山田社長は基地局建設による設備投資やローミング費用の増加、電気使用量の増加のほか、MNP契約者向けに展開している3カ月無料キャンペーンなどにより、関連費用が増加したと説明した。

また、三木谷氏はローミングのコストが大きな負担になっているとコメント。10月や3月頃がローミングをオフにするいいタイミングであると語り、その後ローミング費用が削減されていくという見通しを示した。

【記事修正】記事内で「累計契約者数」としていたところを「累計申込数」に修正しました(2021年8月12日 1:20)