カシオ計算機は、日本国内で使用する電力の約48%を再生可能エネルギー由来とする取り組みを開始した。東京都渋谷区の本社、および羽村技術センター、八王子技術センターなど国内5カ所の事業所において、電力を順次切り替えていく。

今回の取り組みは、カシオが掲げる「脱炭素社会の実現」という長期方針によるもの。この中で「中長期温室効果ガス削減目標」を策定しており、2030年に向けた温室効果ガス削減目標について、科学的根拠に基づく「2℃を十分に下回る目標(Well below 2℃)」として「SBTi(Science Based Targets initiative)」認定を取得している。カシオの温室効果ガス削減目標は以下。

  • Scope1+2:2018年度基準で、2030年度までに38%削減、2050年度に実質ゼロとする。
  • Scope3:カテゴリー1(購入した製品・サービス)と、カテゴリー11(販売した製品の使用)による温室効果ガス排出量を、2030年度までに30%削減する。

上記の国内5カ所の事業所では、2020年度の電力総使用量が9,550千kWhだった。カシオが国内で試用する電力の約48%に当たり、グローバルでは約21%に相当。この電力を再生可能エネルギー由来へと切り替えることによって、温室効果ガスの排出量を国内で約39%、グローバルでは約17%、削減できる見込みという。

電力の切り換え先となるのは、みんな電力株式会社が提供する法人向けの「ENECT RE100プラン」。FIT電気(※)と再生エネルギー電気で構成され、2020年度の算定用排出係数(調整後)として「0.000kg-CO2/kWh」を実現している。

※FIT電気:太陽光や風力といった再生可能エネルギーを使って発電され、電気事業者がFIT(固定価格買取制度)によって買い取った電気のこと。