米Slackは6月30日、デジタルファーストな働き方を促進する新機能を発表した。新機能はSlackハドルミーティング、Slack内の簡易録音、録画機能、Slack Atlas、予約送信機能の4つとなる。

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今回、発表した新機能について説明した米Slack シニア プロダクト マネージャーのJulie Haynes(ジュリー・ヘインズ)氏は「新型コロナウイルスの感染拡大から1年半が経過し、多くの人がパンデミック後の世界がどうなるのかと感じており、組織は新しい働き方に対応しなければならない。当社のアンケート調査によると、63%の人々が働き方に柔軟性を求めており、働き方がハイブリッドになっていくため、新しいコミュニケーションのニーズがある。新機能は、カジュアルかつ突発的なコミュニケーションをオフィスにいるような形で可能とし、ミーティングが続くことがないようにデジタルファーストのアプローチを採っている」と話す。

  • 米Slack シニア プロダクト マネージャーのJulie Haynes(ジュリー・ヘインズ)氏

    米Slack シニア プロダクト マネージャーのJulie Haynes(ジュリー・ヘインズ)氏

Slackハドルミーティングは、Slack上の音声コミュニケーション機能となり、突発的な会話をデジタルで実現するものであり、これまでは同僚のデスクで話をしたり、廊下で合った際に話をしたりするなど、新たなアイデアの創出することを目的としている。

その場で話すようなトピックに向いているため、スケジュールを調整することなく、気軽に参加・退出できる。また、トランスクリプト(文字起こし)も可能としており、Web会議システムの「Amzon Chime」上でもトランスクリプトの対応を予定。現状では英語対応のみだが、今後は日本語も含めて他言語にも対応していく予定だ。

  • Slackハドルミーティングの利用イメージ

    Slackハドルミーティングの利用イメージ

簡易録音・録画機能は決まった時間にミーティングを持つのではなく、好きな時間に自分のアイデアを録音・録画し、会話に投稿できる機能。スクリプトも作成され、画面がインデックス化されることから、あとで検索して内容を確認することを可能としている。今後、数か月以内に順次有料プランのユーザーに展開を予定。

Slack Atlasは、オフィスのディレクトリの役割を果たすという。大規模なチームに入社した新入社員は誰が何をしているのかを正確に把握することが困難なことに加え、働いている従業員にとっても新しい仲間の役割や責任を理解することは、同様に困難となっている。そのため、誰と一緒に仕事をしているのかを把握し、同僚とつながり、組織をナビゲートするための新しい方法を提供するという。

これにより、会社の組織構造、従業員の入社日、カスタムフィールドなどの情報をプロフィールに加えることができるほか、Workdayなど一般的なソリューションとシームレスに統合されているため、プロフィールデータは自動的に入力され、常に最新の状態に保たれる。Enterprise Gridとビジネスプラスのアドオンとして米国とカナダで提供しており、今後は他国への展開も予定。

予約送信機能は、相手の都合のよい時間に合わせてメッセージの送信されるよう日時を設定し、予約できる。例えば、朝に予定がある際はメッセージを作成しておいて間に合うように送信すれば、会話を進めておくことを可能としている。すでに無料ユーザーも含めて、全ユーザーに展開している。

最後にヘインズ氏は「これらの機能はハイブリッドな働き方のなかで柔軟性を持ち、インクルーシブにコミュニケーションするデジタルファーストの取り組みだ」と述べていた。