アユートは、Astell&Kern初のDACモジュール交換式ハイレゾプレーヤー「A&futura SE180」を5月21日に発売する。価格は209,980円。SE180同梱のESS DACモジュールに加え、専用のAKM DACモジュールも同日に49,980円で発売予定。いずれも先行予約を4月23日から受け付ける。

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    A&futura SE180

  • A&futura SE180 ※SEM1同梱:209,980円
  • A&futura SE180 SEM2 DAC(専用DACモジュール):49,980円

Astell&Kernのハイレゾプレーヤー「A&futura」シリーズの第3弾モデル。カラーはMoon Silver。マルチDAC(ESS・AKM)を搭載した「A&futura SE200」(2020年発売)のコンセプトを継承し、異なるオーディオ特性を持つ交換可能なDACモジュール(SEM1、SEM2)をユーザーが選んで付け替え、サウンドをカスタマイズできるようにした。

新たに開発した、主要回路を一体化したサウンドソリューション「TERATON ALPHA」によってオーディオ品質を向上させたほか、ユーザーインターフェースデザインを強化し、フルHDディスプレイを搭載するなど「AKプレーヤーの中でも最も先進的なモデル」を追求した。

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    フルHDディスプレイを搭載。ESS「ES9038PRO」をシングル構成で採用したモジュール「SEM1」を上部に装着している

SE180のデフォルトモジュール「SEM1」には、8ch DACのESS「ES9038PRO」をシングル構成で搭載。最大384kHz/32bitのPCM再生や、DSD 11.2MHzのネイティブ再生が可能で、広いダイナミックレンジとシャープなディテールを追求。交換用モジュールの「SEM2」はAKM「AK4497EQ」を左右独立のデュアル構成で搭載し、最大768kHz/32bitのPCM再生と、DSD 22.4MHzのネイティブ再生が可能だ。ヘッドホン出力はどちらも3.5mm 3極アンバランスに加え、2.5mm 4極と4.4mm 5極のバランス接続端子を備える。

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    AKM「AK4497EQ」を左右独立のデュアル構成で搭載した、別売の専用DACモジュール「SEM2」

各モジュールにはAstell&Kernが開発した主要回路を一体化した「TERATON ALPHA(テラトン・アルファ)」を組み込み、効果的なパワーノイズ除去、効率的な電源管理、歪みを最小限まで抑えた増幅などによって原音に近い再生を追求。次世代のアンプテクノロジーも採用しており、オペアンプパーツの選定から回路設計、基板レイアウト、チューニングに至るまで一新。出力を上げつつSN比は最高129dBを実現した(SEM1の場合。SEM2は最高で127dB)。いずれもノーマルゲインとハイゲインの切り替えが可能だ。

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    ダブルロック機構で本体とモジュールを確実に接続

本体とオールインワンモジュールを物理的に分離することで、本体からのさまざまなノイズを遮断する独立構造を採用。本体とモジュールの固定にネジは使わず、プレーヤーの上部から差し込むと各部を確実に接続する「ダブルロック機構」を備え、1つ目のロック機構で本体とモジュールを取り付け、2つ目のロックで本体とモジュールが固定されたことを確認できるようにした。外部から衝撃を受けた際の接続不良を防止するため、バネで支えられたコネクターを本体内部に装備。各パーツの間に滑らかなラインが描かれるよう、デザインにもこだわった。

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    本体上部からモジュールを差し込む

5型のフルHD/1,980×1,080ドット(441PPI)ディスプレイを本体に搭載し、表示画質を向上(SE200は5型/720×1,280ドット)。タッチ操作に対応する。ユーザーインタフェース(UI)を改良し、Astell&Kernプレーヤー初となるナビゲーションバーを搭載して、どの画面からでも音楽再生情報を確認、操作できるようにした。また、スワイプ操作によって前の画面に移動できる新しいワンスワイプ機能も備えている。

IEEE 802.11b/g/n準拠の無線LAN機能(2.4GHz帯)を備え、ネットワーク接続が可能。新たに「AK File Drop」を搭載し、同じネットワーク上にあるPCやスマートフォン、FTPプログラムなどを使ってワイヤレスでファイル転送できるようにし、音楽ファイルを管理しやすくした。また、SE180をBluetoothレシーバーとして使う新機能「BT Sink」も追加している。Bluetoothの対応コーデックはSBC、AAC、aptX HD、LDAC。

従来から引き続き、Open Appを介した音楽ストリーミングアプリ利用も可能だ。他にも、独自のネットワークオーディオ再生「AK Connect」、動画ストリーミング機能「V-Link」、車で操作しやすい「カーモード」などが利用できる。

本体側面のボリュームホイールは151ステップで音量を調整でき、リング状のLEDの光り方によって再生中の曲のビット深度やボリューム調節状態を表示する。また、従来は本体にあった操作ボタンを廃止し、マルチファンクションボタンを1つ追加して巻き戻し・再生/一時停止・早送りといった操作が片手で行えるようにした。

本体ストレージ容量は256GB。microSDカードスロットを1基備え、最大1TBまでのmicroSD/SDHC/SDXCカードが使える。対応ファイル形式はWAV/FLAC/MP3/WMA/OGG/APE/AAC/ALAC/AIFF/DFF/DSF/MQA。インタフェースはUSB Type-C(USB 3.0)で、急速充電や高速データ転送に対応。USB DAC機能やUSBオーディオ出力も利用できる。

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    ボリュームホイール(右)のLEDの光り方によって、再生中の曲のビット深度やボリューム調節状態を表示する

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    USB Type-C(左)とmicroSDカードスロット(右)

再生時間は約10.5時間(FLAC 44.1kHz/16bit、ボリューム50、アンバランス出力、ノーマルゲインの場合)。本体サイズは約129×77×19.9mm(縦×横×厚み)で、モジュールを装着すると縦137mmになる。重さは本体が約280g、モジュールが約100g。

別売オプションとして、Minerva 製ベジタブルタンニングレザーを使った専用ケースも用意する。価格は14,980円。カラーはBlackとNavyの2色。

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    専用ケースをSE180に装着したところ