ソニーは4月14日、Androidスマートフォン「Xperia」のミッドレンジ新製品「Xperia 10 III」(エクスペリア テン マークスリー)を発表した。フラッグシップの「Xperia 1 III」も同時発表されている。発表されたのはグローバルモデルで、日本を含む国・地域にて、2021年初夏以降の発売を予定する。価格は未定。
Xperia 10 IIIは、Xperiaシリーズのミッドレンジ機として初の5G対応を果たしたスマートフォン。バッテリー容量は、2020年2月に発表された前モデル「Xperia 10 II」の3,600mAhから900mAh増量した、4,500mAhを搭載する。同時発表のフラッグシップモデル「Xperia 1 III」と同じく、劣化しにくいバッテリーを搭載している。
ディスプレイはアスペクト比21:9の有機ELディスプレイを採用し、新たにHDRに対応した(解像度はフルHD+)。ディスプレイ側と背面側の両方は強化ガラス「Gorilla Glass 6」で覆われ、IP65/68の防塵防水性能を備えている。本体カラーはブルー、ホワイト、ピンク、ブラックの4色。電源兼用の指紋認証センサーも引き続き搭載された。
本体のサイズは従来から幅を3mm、高さを1mm小型化。縦長画面を活かして2つのアプリを上下で開ける「マルチウィンドウ」機能が強化され、表示中のウィンドウの上に、ポップアップでウィンドウを重ねて表示できるようになった(最大3ウィンドウの同時表示が可能)。また、サイドセンスバーの長押しで任意の場所にショートカットボタンを表示できるフローティング機能や、スマホの乗り換え時に有線/無線データを転送できる「Xperia Transfer 2」も初期搭載されている。
カメラは背面がトリプル、前面がシングルの計4レンズを搭載。背面は約800万画素(超広角、焦点距離16mm相当)+約1,220万画素(広角、焦点距離27mm相当)+約800万画素(望遠、焦点距離54mm相当)という構成で、カメラ関連の機能は最高10コマ/秒連写のほか、ペット認識、ノイズリダクション、オートHDRなどを搭載。
ペット認識機能は、犬や猫を認識するとシャッタースピードやISO感度を最適化し、フォーカスを合わせた撮影が自動で行えるもの。また、最高10コマ/秒連写では、1フレームごとに自動で画像の明るさが最適化される。ノイズリダクション機能も従来から改善しているという。
サウンド面も強化され、MP3などの圧縮された音源をハイレゾ相当の高音質にアップスケーリングできる「DSEE Ultimate」を、Xperiaシリーズのミッドレンジで初搭載し、Bluetoothの高音質コーデック「LDAC」やハイレゾ再生もサポートする。本体上面にはオーディオジャックを用意した。
プロセッサはQualcommのSnapdragon 690 5G Mobile Platform、メモリは6GB、ストレージは128GBと従来から向上。通信は新たに5G(Sub 6)に対応する。
同時発表のフラッグシップモデル「Xperia 1 III」との主な違いは、ディスプレイ解像度やリフレッシュレート、カメラの画素数や搭載レンズの種類、Photography ProやCinema Proといった高度な撮影アプリの有無、CPUやメモリといった性能面の違いなど多岐にわたる。価格は未定だが、ソニーによると従来モデルのXperia 10 IIと同程度の価格帯での提供を見込んでいるという。
Xperia 10 IIIの主な仕様(国・地域により異なる)
- CPU: Qualcomm Snapdragon 690 5G Mobile Platform
- 内蔵メモリ: 6GB
- ストレージ: 128GB
- サイズ: W68×D8.3×H154mm
- 重量: 169g
- ディスプレイ(解像度): 約6.0インチ有機EL(FHD+ HDR)
- メインカメラ: 約800万画素(超広角)+約1,220万画素(広角)+約800万画素(望遠)
- インカメラ: 約800万画素
- バッテリー容量: 4,500mAh
- 対応SIM: nanoSIM
- 生体認証: ○(指紋認証)
- 防塵/防水: IP65/68
- 充電端子: USB Type-C
- カラー: ブラック、ホワイト、ブルー、ピンク