インターネットイニシアティブ(IIJ)は3月15日、企業のサイトとOracle のクラウドサービスである「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」間をIIJの専用プライベートネットワークを介して閉域網で接続する「IIJクラウドエクスチェンジサービス for Oracle Cloud Infrastructure FastConnect」を提供開始した。参考価格は、100Mbpsの帯域を利用した場合で月額23万8700円。

  • サービスのイメージ

新サービスは、IIJのバックボーン上に企業専用のネットワークを構築する「IIJプライベートバックボーンサービス」を経由し、Oracleの閉域網接続サービスである「FastConnect」を利用可能にするもの。これにより企業は、自社ネットワークとOCIを、インターネットを介さず信頼性の高い閉域環境で接続できる。

IIJクラウドエクスチェンジサービスサービスでは既に、Microsoft AzureやMicrosoft 365、アマゾン ウェブ サービス(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)といった複数のクラウドサービスへの閉域接続サービスをフルマネージドで提供している。今回のサービス追加により、企業はOCIを含めた各クラウドサービスを組み合わせて構築したマルチクラウド環境を、安全かつシームレスなネットワーク環境下で利用できるという。

なお同サービスは、システムインテグレーター向けの接続方式である「パートナーコネクト」にも対応しており、パートナー各社から提供するソリューションとしても利用することが可能。

同サービスの特徴として同社は、企業のサイトとOCI間の信頼性が高い安定した閉域網での接続、マルチキャリアでの冗長化ネットワークの提供、柔軟なマルチクラウド環境を構築可能の3点を挙げる。

接続形態には、OCIのIaaSを利用するための「プライベートピアリング」と、オブジェクト・ストレージなどのPaaSを利用するための「パブリックピアリング」の2つがあり、同一の閉域環境で両方の接続を併設して利用可能という。なお、パブリックピアリングの利用に必要となるNAT機能もサービスとして提供するため、企業では、自社のネットワーク環境におけるNAT機能のためのゲートウェイ設備は不要としている。

マルチキャリアでの冗長化ネットワークに関して、IIJネットワークとOCI間は、耐障害性を考慮した異ルートおよびマルチキャリアでの冗長構成によりOCIへの安定した接続性を提供する。東京・大阪の2つのリージョンでサービス設備を運用しており、企業の要望に応じて、DR対策として東西での冗長構成をとることも可能。

マルチクラウド環境の構築については、同社のクラウドサービスである「IIJ GIO」に加えて、Microsoft Azure、Microsoft 365、AWS、GCPなど、マルチクラウドでの閉域接続に対応できるため、ユーザー企業はOCIを含め、各クラウドの特性に応じて適材適所でサービスを選択し、業務に最適なマルチクラウド環境を柔軟に構築できるとしている。