2020年12月に小惑星「リュウグウ」から採取したサンプルを地上まで届けた小惑星探査機「はやぶさ2」の再突入カプセルの公開が3月12日より相模原市立博物館にて始まった。

今回公開されたのは、大気圏再突入時の空力加熱によって生じる高熱からサンプルを守る役割を持つ「前面ヒートシールド」ならびに「背面ヒートシールド」と、カプセルの頭脳としてさまざまな制御を担う「搭載電子機器部」、サンプルコンテナを内包する本体部分ともいえる「インスツルメントモジュール」、そして着陸の際に使用された「パラシュート」の5つだ。

  • 展示の様子

    展示の様子(宇宙航空研究開発機構(JAXA)、相模原市立博物館の特別な許可を得て撮影したもの。一般公開時は撮影禁止となっている。)

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  • 前面ヒートシールドと背面ヒートシールド。進行方向である前面ヒートシールドは背面ヒートシールドと比べて高熱となるため黒い炭化層ができているのが分かる(前面ヒートシールドには技術情報の保護のため、加工シールが貼られているが、一般公開時には外される予定。)

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  • 搭載電子機器部とインスツルメントモジュール。どちらもヒートシールドが熱から守ったため非常に綺麗な状態なのが分かる。インスツルメントモジュールの中央にはサンプルコンテナが入っていたため空洞になっている(搭載電子機器部には技術情報の保護のため、加工シールが貼られているが、一般公開時には外される予定。)

  • パラシュート

    着陸の際に使用したパラシュート

相模原市立博物館での公開は3月16日までを予定しているが、一連の観覧に関する募集はすでに終了している。定員4800人のところ約18000人の応募があったという。

なお、はやぶさ2の地球帰還カプセルは、16日の相模原市立博物館での公開終了後は、3月27日から4月11日の期間で、東京上野の国立科学博物館(科博)にて、企画展「小惑星探査機『はやぶさ2』-小惑星リュウグウからのサンプルリターン-」として公開される予定だ(ただし4月5日は休館日)。2021年3月12日現在、科博の入館にはオンラインによる事前予約が必要となっていることに注意が必要である。