新生活の準備で手ごろな価格のIT機器を求める人が増えています。今回は、イオシス アキバ中央通店に中古タブレットの売れ筋を取材しました。
新品のタブレットは、新製品が安定して投入されるアップルのiPadが主流になっていますが、中古市場はまた別の流れが見られるそうです。店頭スタッフの石山祐輔氏は「数年前からの動きですが、法人のリース用途から下りてきたWindowsタブレットが注目されるようになっています。十分実用できる性能ながら1万円を切る安さのものもあって、とてもコストパフォーマンスが高いんです。ブックリーダーや動画再生用に手軽なAndroid端末を探している方もいらっしゃいます」と解説します。
中古タブレットは、同型番の再入荷が難しい側面があるため、売れ筋上位であっても売り切れたらランキングから姿を消すなど、変動が激しい面もあります。ただ、買い手のニーズは常にあるので、売れ筋モデルの傾向は次代の人気モデルに引き継がれます。それを踏まえて、取材時の人気トップ5を見ていきましょう。
「中古タブレット購入時のポイント3箇条」は以下となります。
- 中古品は本体の状態や付属品の有無などの差が大きい。中古品としての仕様を比較して選びたい。
- 法人からの使用済みモデルのほか、メーカーからの再生品が大量入荷することもある。
- 大量入荷しても、瞬く間に在庫が切れることも。買い時を逃したくないなら、サイトで在庫数をチェックを。
※本文と写真で掲載している価格は、2020年1月13日14:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
第1位:9,980円で買えるWindowsタブ「VersaPro VT-J」
一番人気となっていたのは、NECが2014年に投入した法人向けWindows 8.1 Proタブレット「VersaPro VT-J VK24V/TA-J」でした。CPUにAtom Z3795を搭載した10.1インチモデルで、スタイラスペンとキーボードが欠品の中古品(Cランク品)が税込み9,980円で売られていました。
「法人から下りてきたWindowsタブの典型例ですね。入荷当初は付属品付きの商品が人気でしたが、現在は付属品欠品の商品が好調に売れています。とにかく安いですし、Windowsは汎用性がとにかくすごい。ブラウザゲームでも遊べますし、テレワークにも使えます。明確に目的を持たなくても、『とりあえず買ってみよう』という方がたくさんいらっしゃいますね」
第2位:9,980円で買える8インチAndroidタブ「MediaPad T3 8」
続く2位には、ファーウェイの8インチAndroid 7.0タブ「MediaPad T3 8 KOB-L09」がランクイン。国内版SIMフリーのLTEモデルで、価格は1位のVersaProと同じく税込み9,980円。付属品がそろっている状態の良いAランク扱いの中古品です。
「ブックリーダーとしては7~8インチのタブレットが人気です。スマホだと小さく、10インチタブだと持ち運びづらくなるんですよね。Aランク品ということで、自分用だけでなくプレゼント需要も目立っていますね」
第3位:ペン&タイプカバーつきの「Surface Pro 4」
3位は、価格帯が数段上のクラスになります。日本マイクロソフトのWindows 10タブレット「Surface Pro 4」のIBMリフレッシュ品で、価格は税込み49,800円。Core i5-6300Uや256GB SSDを内蔵した12.3インチモデルで、保証対象外ながらスタイラスペンとタイプカバーもセットになっています。
「現役で普通に活躍できるスペックのモデルが大量入荷しました。テレワーク用を含め、やはり実用目的で買っていく人が多いです。『Surfaceが欲しかったけれど高くて手が出せなかった』という人にも喜ばれていますね」
第4位:さらにコンパクトで6,980円と安い「MediaPad T3 7」
4位は、ファーウェイの7インチAndroid 6.0タブ「MediaPad T3 7」になります。2位のMediaPad T3 8よりひと回り小さい製品で、SIMスロットのないWi-Fi専用モデル「BG2-W09」のAランク品が税込み6,980円で売られていました。
売れ方はMediaPad T3 8とよく似ており、気軽に携帯できるブックリーダーや動画ビューワーとして購入する人が多いとのこと。「あとは、子どものおもちゃに買うという方もいらっしゃいますね。家のなかでYouTubeなどを見るにもちょうどいいサイズですから」
第5位:エイスースの「Chromebook Flip」も実用端末として人気
5位は、エイスースのChrome OSモデル「Chromebook Flip C214MA」がランクインしました。11.6型モニターに物理キーボードがつき、2in1ノートとして使える製品です。メーカー再生品で、税込み価格は22,800円でした。
「最近の教育機関はChromebookを使っていることが多くて、結構実用性が高くてコンディションの良いモデルがたくさん仕入れられることがあります。価格的におもちゃ的なガジェットとして興味を持ったり、テレワーク用の実用機に使ったりされますね」
はみ出し情報…コロナ禍でのクラムシェルノートの売れ方を振り返る
コロナ禍中における中古クラムシェルノートのトレンドも聞いてみました。石山氏は「1年前から振り返ると、まずMacBookシリーズが売れましたね」といいます。
「2020年2月ごろ、テレワークへの切り替えが意識されるようになったとき、最初に動いた人の職種はデザイナーが多かったみたいで、まずMacBookシリーズが飛ぶように売れました。Windowsノートが売れるようになったのは、1回目の緊急事態宣言が発出されて、さまざまな職業でテレワークが本格化したころからですね」
テレワーク需要ということで、売れるモデルはWebカメラつきが必須条件とのこと。しかし、中古市場はWebカメラを省いた法人向けのカスタムモデルも少なくありません。石山氏は「店頭で探される方は、そのあたりを注意しましょう」とアドバイスします。