米Googleは2月4日(現地時間)、Androidスマートフォンのカメラを使って呼吸数と心拍数を測定できる機能を健康管理アプリ「Google Fit」に搭載すると発表した。まずは3月に同社のPixelスマートフォンで利用できるようにし、他のAndroidデバイスにも拡大していく。

呼吸数の測定は、前面カメラでポートレート撮影するようにスマートフォンに向かい、顔と胸部が認識されたら計測を始まるので、そのまま完了するのを待つ。病院などで呼吸数は胸部や腹部の上下の動きを見て測定する。Googleの測定機能も、機械学習とコンピュータビジョンを用いてカメラがとらえた映像から呼吸の微妙な動きを読み取る。

  • 呼吸数の測定

    顔と胸部を認識して呼吸数の測定を開始

心拍数の測定は、指先を背面カメラを当てて測定する。心臓の脈動で起こる血管の容積変化をとらえる脈波センサーと同じように、血流量の変化に伴う微妙な変化を検知する。完了後、測定した数値はFitアプリに記録して他の健康関連のデータと同じように安全に管理できる。測定のたびに削除することも可能。

  • 心拍数の測定

    背面のカメラに指をあてて心拍数を測定

Google Healthのヘルステクノロジー担当ディクレクターShwetak Patel氏によると、2つの測定機能の開発では、医療パートナーの協力も得て、年齢、性別、肌の色、疾患の有無など、実際の測定であり得るさまざまな条件でリサーチを行なっている。初期の臨床研究の結果、1分あたり12〜14回の呼吸数でGoogleの測定機能の誤差は1回以内、心拍数は1分あたり60〜100回で2%以内の誤差におさまった。研究の詳細は論文にまとめて発表する予定だが、現時点でFitアプリの呼吸数/心拍数測定は、健康のためのツールとして提供する。そのため、測定結果画面に「これらは医療目的の測定結果ではなく、いかなる病気や病状の診断や治療にも利用すべきではありません」という注意が表示される。

医療目的ではないものの、呼吸数と心拍数の記録は体の状態や変化を知るのに役立つデータになる。例えば、運動し始めた人がその効果を知るデータの1つになる。スマートフォンで測定できるので、ウェアラブルデバイスを使用していない人たち、測定機器を簡単に利用できない人たちにも呼吸数/心拍数のトラッキングを広げられる。Google Healthのヘルステクノロジー・チームは、人々が日々使用しているデバイスや安価なセンサーが健康管理に必要な情報や洞察をいかに提供できるかを研究しており、「Google Fitアプリを使って日々の変化をトラッキングし、健康を向上させている人たちにとって役立つ機能になることを願っています」とPatel氏は述べている。