Android 10端末を使うようになってから、それまで当たり前のように接続できていたWi-Fiへ接続できなくなった...納得できませんね。パスワードなど諸設定をそのまま引き継いでいるにも関わらず、Wi-Fiアクセスポイントによって接続できる/できないの違いが生じるとあれば、システムの不具合を疑いそうになります。

しかし、原因はAndroid 10におけるWi-Fiの仕様変更かもしれません。Wi-Fiアクセスポイントの詳細画面にある「プライバシー」を開くと、「ランダムなMACを使用する」と「デバイスのMACを利用する」という2つの選択肢が現れますが、「ランダムなMACを使用する」のほうにチェックが付いていませんか?

ここでいうMACとは「Media Access Control」で、ネットワークデバイスが持つ48ビットの識別情報のこと。Android端末の場合、内蔵されているWi-Fiチップが持つ一意の識別情報を意味します。

MACアドレスはユーザによる変更が難しいため、端末の接続制限を行うとき参照する固有IDとしてルータなどに利用されてきましたが(MACアドレスフィルタリング)、通信を傍受すれば端末を特定できるうえ暗号化できないため、現在のセキュリティ水準では問題が多いと指摘されています。

ランダムに生成したMACアドレスを使用すれば、端末の追跡が困難になりセキュリティ向上に役立ちますが、MACアドレスフィルタリングで例外登録された端末の場合、肝心の目印がなくなってしまいます。その場合、「デバイスのMACを利用する」を選択しましょう。以降、Wi−Fiチップに記録された固有のMACアドレスが使用されるため、セキュリティレベルは低下しますが、Android 10に移行したとたん接続できなくなったWi-Fiが使えるようになるはずですよ。

  • Android 10に切り替えてからWi-Fiに接続できなくなった原因は?