パナソニックは12月7日、IoT機器などを活用して在宅介護の質を向上し、高齢者のQOL(Quality of Life)を高める「デジタル・ケアマネジメント」の第2期実証を2019年度に実施した宮崎県都城市に加え、東京都品川区にもフィールドを拡大して開始した。

  • 「デジタル・ケアマネジメント」のイメージ

    「デジタル・ケアマネジメント」のイメージ

同社は在宅介護の質向上による在宅生活の継続を目指し、要介護高齢者の生活を支えるケアマネジメントに、ICT・IoT・AIなどのデジタル技術を用いた「デジタル・ケアマネジメント」を構築し、ケアマネジャー向けの「ケアプラン作成機能」と「IoTモニタリング機能」を開発。

2019年度からケアマネジャー職能団体と共創し、実際のケアマネジメント業務で利用する実証に取り組んでおり、第1期実証は国内初の取り組みとして、昨年10月から宮崎県都城市において要介護高齢者4人を対象に実施し、4事例すべてにおいて「本人状態が改善傾向」という結果が得られたという。

宮崎県都城市では、宮崎県介護支援専門員協会 都城・北諸県支部との共創を継続し、新たに4人の対象者で2020年8月より実証を開始したほか、新たな実証フィールドとして、東京都品川区を追加。品川区介護支援専門員連絡協議会との共創で4名の対象者を選定し、2020年10月より実証に取り組んでいる。

現時点で、IoTモニタリング機能により、第1期からの累計実証対象者12人の延べ1000日超の生活ログの蓄積を実現し、これにケアマネジャーから収集した介護実践結果を掛け合わせることにより、ケアマネジメントAIの構築に不可欠な高齢者の状態改善に寄与した質の高い介護事例を蓄積することが可能だという。

今後、ケアマネジメントAIの構築を目指し、さらに他フィールドのケアマネジャー職能団体や自治体とも共創を行い、対象者数を拡充することで、継続的に提供価値を高めるアップデータブルなサービス展開を進めていく考えだ。