パナソニックから、新型のプレミアム冷蔵庫「MEXタイプ」が登場します。MEXタイプの特徴は、野菜庫を真ん中に配置したことです。プレス向けの製品説明会で実際に製品をチェックしてきました。
ラインナップは、513L型と483L型、それぞれステンレスシルバーとセラミックホワイトの2色展開です。10月30日発売、価格はオープン、推定市場価格(税別)は513Lタイプが350,000円前後、483Lタイプが340,000円前後となります。
野菜重視? 冷凍食品重視? 選べるラインナップに
最近の冷蔵庫は、冷凍庫と製氷室が真ん中に配置されていることが多いのですが、これには理由があります。製氷室と冷凍庫を隣接した場所に配置すると、冷蔵庫の内部構造で断熱材を減らせるのです。製造コストが下がり、庫内容量を確保しやすくなり、省エネ性能もアップします。
冷蔵庫の真ん中を冷凍室にすると、自然に野菜室は一番下に配置することになります。最下段の食材はかがんで取らなければならないので、出し入れが少々面倒です。このため、ほとんどの大手メーカーが野菜重視の家庭向けに真ん中野菜室の冷蔵庫をラインナップしています。
今回のMEXタイプによって、とうとうパナソニックも真ん中野菜室に参戦。冷凍食材を重視する忙しい家庭向けには真ん中冷凍室の「WPXタイプ」を用意しています。ちなみに、10月発売のMEXタイプと「対(つい)」といえる真ん中冷凍室タイプの製品は、2020年2月に発売されたWPXタイプです。
MEXタイプとWPXタイプともに、パナソニックの冷蔵庫で上位モデルが備える「はやうま冷凍」機能を搭載。ファンで食材に直接冷気をあてつつ、アルミプレートで食材の熱を奪うことによって、業務用レベルの急速冷凍ができるという機能です。
MEXタイプならではの新機能
MEXタイプとWPXタイプは共通した機能が多いのですが、前述のようにMEXタイプは「パーシャル」と「はやうま冷凍」を切り替え可能など、MEXタイプだけが持つ新機能もあります。
そのひとつとして、野菜庫は野菜を長持ちさせる2種類の新フィルターを採用した「Wシャキシャキ野菜室」に進化。葉物など萎(しな)びやすい野菜も、1週間シャキシャキに保存できるとのこと。
MEXタイプは使いやすさも向上しています。たとえば、チルド室の幅が狭くなっていて、フレンチドアの右側だけを開けば、チルド室の食材を取り出せるようになりました。短くなったエリアには小物を整理整頓しやすい「アレンジストッカー」を入れられます。
アレンジストッカーとは、2つの箱形フリーケースと、フリーケースにピッタリサイズの卵トレイという3つのパーツからなるアクセサリー。卵トレイを使って卵ホルダーとして使うのはもちろん、ジャムやバターなどの「朝ご飯セット」などをフリーケースにまとめて、食卓にまとめてサッと出すという使い方も。フリーケースは100円ショップなどでも売っていますが、アレンジストッカーはMEXタイプにピッタリの大きさなので、庫内スペースをムダにしません。純正品ならではですね。
パナソニックらしい使いやすい機能も健在
今回の新製品で筆者が一番気に入ったのは、ステンレスやセラミック調の素材感と、上質なマット感があるデザイン。これまで多くの高級冷蔵庫が採用していたガラスドアは鏡のように部屋を反射するため、デザイン性の高いキッチンでないと、キッチンのインテリアが冷蔵庫に負けてしまうことがありました。一方、MEXタイプ(MPXタイプ)のフラットなスチールドア(銅板製)は、高級感がありながら主張しすぎません。指紋や汚れが付きにくいというメリットもあります。
MEXタイプはまた、パナソニックの冷蔵庫が以前から備える使いやすい機能も継承しています。とくに目を引くのは、コンプレッサーを冷蔵庫の上部に配置する「トップユニット方式」であること。下二段の引き出しの庫内が広くなり、冷蔵庫上段の奥まで手が届きやすいのです。引き出し部を100%全開できる「ワンダフルオープン」も便利。
こうした基本的な使いやすさに加えて、先進的なはやうま冷却機能や野菜の長持ち機能、日ごろの使い勝手をよくするチルド室の配置や付属のアレンジストッカー。さらには、どんなキッチンにもなじむフロスト加工デザインなど、MEXタイプは近年のパナソニック冷蔵庫のいいところを全部入りにしたような製品です。