米Lenovoは10月5日(現地時間)、米NVIDIAとの連携強化を発表した。これによりレノボは、さらに迅速に最新のデータセンター設計を実現できると考えているといい、今後は、NVIDIA Ampereベースのグラフィックス・プロセッシング・ユニット(GPU)の最新製品に加え、新しいデータ・プロセッシング・ユニット(DPU)とソフトウェアスタックにおいても連携を進めていくとしている。
今回の連携強化について同社は、NVIDIA Ampereによるデータセンターのサポート、GPUコンピューティング向けの冷却アプローチ、ソフトウェアにおける連携の拡大の3つの観点から説明する。
データセンターのサポートに関して、同社のLenovo ThinkSystem SR670は、540億個のトランジスタを用いて製造し、7ナノメートルチップで構成するAmpereベースのNVIDIA A100 PCIe GPUをサポートしている。2020年内には、メインストリームの1/2ソケットThinkSystemサーバのラインナップなどを対象に、A100のサポートを拡大する予定。
これにより、AI/HPC(High Performance Computing)用途の多様な規模の環境で高いパフォーマンスを発揮し、世界中のさまざまなコンピューティングの課題にも対応できるという。A100は、最大数千個のGPUまで効率的に拡張できる他、最新のマルチインスタンスGPU(MIG)技術を使用し、最大7つの隔離したGPUインスタンスにパーティション化することで、複数のワークロードを同時で高速処理することが可能。
エクサスケールレベルの次世代スーパーコンピュータで使用する技術を多様な規模のシステムに導入するため、同社は「From Exascale to Everyscale」をコミットメントに掲げ、取り組みを行っているという。今後数か月以内には、NVIDIA Ampereデータセンター製品ファミリー全体を追加サポートすることで、アナリティクス、VDI(仮想デスクトップ基盤)、さらにはエッジAI(人工知能)など、エンタープライズビジネスのワークロードの軽減が可能としている。
冷却アプローチについて、データセンターで採用するGPUやコンポーネントの消費電力が上昇する中、かつては世界最大規模のスーパーコンピュータに限定していた消費電力や冷却のニーズへの対応といった課題に、企業は対応しなければならないと同社はいう。そのため同社は、水冷システムとハイブリッド型の水冷システムを開発し、ITプロフェッショナルの直面する冷却の課題を解決できるよう、NVIDIAとのパートナーシップを通じ、大規模なエンジニアリングと開発を進めているとのこと。
ソフトウェアでの連携拡大に関して、API、ソフトウェアスタック、ライブラリ、コードオプティマイザーのイノベーションや向上は、ハードウェアの進化と同じく重要な要素だと同社はいう。同社は、プログラミング作業を容易にし、GPUアクセラレーション対応アプリケーションの開発・導入を迅速に可能にするというNVIDIA GPU Cloud(NGC)を同社のユーザー企業が使用できるようサポートを行う。
NGC-Readyシステム向けのエンタープライズ・グレードのサポートと、NVIDIAの専門家チームへの直接のアクセスを提供することで、リスクを最小限に抑えつつ、システムの利用率とユーザーの生産性を最大限に向上させるとしている。さらに、NGC-Readyの検証作業は今後、同社のデータセンターサーバからエッジサーバにまで拡大するとのこと。