Microsoftは米国時間2020年10月8日、安定版Microsoft Edgeをバージョン86へ更新した。振り返ると2020年1月のバージョン79から始まり、Canary・Dev・Betaの各チャネルで新機能の検証などを経て、安定版の提供に至っている。本稿執筆時点で安定版のリリースノートは未更新なので、ベータ版リリースノートの併読を推奨したい。
ベータチャネルで大きく機能が加わったのは、9月9日にリリースしたバージョン86.0.622.11だ。おもな新機能を取り上げると、Internet Explorerモードの拡充、ダウンロードマネージャー経由のファイル削除、PDFファイル閲覧時の目次サポート、小さいフォームファクターPCでの閲覧性向上、蛍光ペンのサポート、スクロールの改善が加わっている。
Windows 7 / 8 / 8.1でMicrosoft Edgeを実行したときのプロファイル自動切り替え機能も有用だろう。ほかにも、以前のバージョンへロールバックする機能や、AAD(Azure Active Directory)アカウントの同期設定の強制といった「19」の新ポリシーが追加されているが、このあたりはIT管理者向けなので割愛する。
MicrosoftはEdge安定版の更新に合わせて、新機能を包括的に紹介する公式ブログを公開した。ホリデーシーズン(クリスマスから年始年末にかけて、米国で多くの人が休暇をとる期間)が近いことから、コレクション機能を使った買い物リストの作成機能をアピールしつつ、10月中に価格比較機能を米国市場で展開することを明かしている。
同じく日本では未展開だが、Microsoft Bing経由でオンラインショッピングをしたときに一定額の割引を受けられる「Bing Rebate(リベート)」、Microsoft Bingでの検索時に一定のRewardポイントを取得できるプログラムの拡大も紹介した。ほか、もMicrosoft Edgeの新しいタブページに家族やペットの写真をアップロードする機能や、Webキャプチャー機能にも触れている。
公式ブログでは深掘りしていなかったものの、Windows 10の「Meet Now」も紹介していた。Meet Nowは、Skypeへのサインアップやクライアントをダウンロードせずに、最大50人の友人とオンライン会話を楽しめる機能だ(最大24時間)。現在、Windows 10 Insider Previewの一部に展開され、筆者の環境でもビルド20231で確認した。記事のテーマがホリデーシーズンだからこそ取り上げたのだろう。
さらに、iOS 14で既定のWebブラウザーおよびメーラーの変更が可能なったことから、モバイル版Microsoft Edgeの既定化も主張している。筆者はiPhoneやiPadで既定のWebブラウザーをMicrosoft Edgeに変更したが、日々更新されるRSSフィードを閲覧するFeedlyのモバイルアプリが独自のWebブラウザー呼び出し手法を用いており、いまだSafaraとGoogle Chromeしか選択できない。今後に期待だ。
前述した機能の一部は、米国限定のものでなければCanaryチャネルのMicrosoft Edgeで確認できる。特定サイトが開けない問題やGPUを用いたWebレンダリングにバグが紛れ込んでしまうなど、当然ながら安定性に欠ける部分はあるものの、安定版&Canary版を併用すれば大きな問題とはならないだろう。興味があればぜひCanary版のMicrosoft Edgeをインストールして新機能を試してみてほしい。なお、次の安定版となるバージョン87は、2020年11月19日ごろのリリースを予定している。