ソニーは、腕時計のバンド部分にスマートウォッチの機能を内蔵した「wena」の新機種として、新たにSuicaに対応し、画面も大型化した「wena 3」を11月27日より順次発売する。価格はオープンプライスで、店頭価格(税別)はラバーバンドの「wena 3 rubber Black」が24,000円前後など。

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    wena 3(時計ヘッドは別売)

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    wena 3

新型のヘッド部「wena head」も多数展開予定。詳細は別記事で紹介する。

wena 3のラインナップ・店頭想定価格(税別)

  • wena 3 metal Silver(WNW-B21A/S):33,000円前後
  • wena 3 metal Premium Black(WNW-B21A/B):35,000円前後
  • wena 3 leather Brown(WNW-C21A/T):30,000円前後
  • wena 3 leather Premium Black(WNW-C21A/B):32,000円前後
  • wena 3 rubber Black(WNW-A21A/B):24,000円前後
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    左からメタル、レザー、ラバーの3種類のバンドを用意する

wena 3は、非接触ICカード技術のFeliCaを活用した電子マネー機能を、時計のヘッドではなくバンドに装備。従来の楽天Edyに加えて、新たにSuicaにも対応したのが大きな特徴で、電車やバスへの乗車時に手首をかざすだけで決済可能になった。

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    新たにSuicaにも対応

手首(wena 3のバックル)をかざすだけでおサイフケータイ対応サービスを利用でき、電子マネーの切り替え操作は不要。交通機関のほか、全国45万店舗以上のコンビニエンスストアやドラッグストアなどでwena 3をかざして決済ができる。残高は本体の有機ELディスプレイから確認できる。

Suicaのチャージや発券はiOS/Android用の「wena 3」アプリから行える。駅やコンビニでの現金チャージも可能だ。おサイフケータイ機能(楽天 Edy/iD/ANAスキップサービス/dポイント/ヨドバシゴールドポイント/QUICPay)については、初期設定時のみiOS端末が必要となる。

新たに大型の高輝度有機ELディスプレイを採用し、有機EL上に配置しているフィルムの透過率を上げることで、屋外での視認性を向上させたという。照度センサー搭載により、周囲の明るさに合わせた自動輝度調整が可能になっている。

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    大型の高輝度有機ELディスプレイを搭載。各種通知や情報が見やすい

1アクションでさまざまな機能にアクセスできるユーザーインタフェースを装備。スマホと連携して、電話の着信やメール、SNS、スケジュールの通知、活動ログなどをチェックできる。天気予報表示やタイマー・アラーム機能、スマートロック「QrioLock」の施錠・解錠などにも対応する。

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    従来のwena wrist(左)とwena 3(右)を並べたところ

最大1週間の電池持ちに加え、約24時間の予備電力を確保。万が一外出先でバッテリーが切れてしまっても、予備電力がなくなるまでは電子マネー機能を利用できるという。また、紛失防止の「MAMORIO」機能を搭載し、スマートフォンから置き忘れた場所と時間を通知。遺失物発見システム「クラウドトラッキング」機能、全国500路線以上の鉄道・バス事業者及び商業施設に設置されている「MAMORIO Spot」等の捜索ネットワークなどを利用できる。これらは後日のアップデートで利用可能になるという。

独自アルゴリズムによる活動ログ機能も搭載。加速度センサーとデュアル光学式心拍センサー(緑LED+赤LED)により、日々の活動を計測してアプリで管理できる。具体的には、歩数、消費カロリー、心拍数、消費カロリー、睡眠の深さの計測が可能。最大酸素摂取量(VO2 Max)やストレスレベルの推定もでき、日常の健康管理に役立てられるとする。

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    活動ログ機能のアプリ画面イメージ

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    睡眠の深さも計測できる

一般的に光学式心拍センサーは手首等に緑LEDを照射し、血流によって変化するヘモグロビン流量を計測することで心拍数を算出するが、腕の動きだけでなく手首や指の動きの影響を受ける場合があるという。wena 3では、緑LEDに加えて赤LEDを照射することで、手首や指の動きによって発生するノイズを除去するソニー独自のアルゴリズムを採用。赤LEDがない場合と比較し、より正確な心拍数を計測できると説明している。

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    wena 3のデュアル光学式心拍センサー(灰色のパーツ)

VO2Max(最大酸素摂取量)は1分間に摂取できる酸素量の最大値(体重1kgあたり)をあらわすもので、この最大値が大きければ大きいほど、自身の身体がエネルギーを酸素から効率的に生成できることを意味し、持久力の指標として役立つ。一般的に、VO2 Maxの測定には20mシャトルランなどの激しい運動を伴うが、wena 3では日常生活の歩行データと心拍数の長期ログから、VO2 Maxを算出するソニー独自のアルゴリズムを採用。激しい運動をしなくても、普段の生活からVO2 Maxを手軽に知ることができるという。

Amazonの音声サービス「Alexa」にも対応。ボタンを押して話しかけるだけで利用可能で、天気予報の確認や、外出先から自宅のエアコン操作、簡単な計算(複数人での会計など)をwena 3に話しかけるだけで実行できる。

モジュール部の素材はステンレススチール「SUS316L」を採用。腕時計としての高級感と小型化の両立を実現するため、メタルアークアンテナを独自で開発。本体そのものをアンテナにしている。手首の形状に合わせてモジュール本体をカーブさせる設計のため、カーブドバッテリーとコーニングのゴリラガラスを用いた曲面タッチディスプレイを採用しており、90cmの落下衝撃にも耐えられるという。防水性能は5気圧。

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    wena 3の内部構造

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    wena 3の分解モックアップ

サイズは従来比(wenawrist active)で体積30%/厚み2.5mm小型化。バックル部分を極限まで小さくするため、メカ構造やアンテナ、電気回路/基板パターンに至るまで自社設計し、部品配置を3次元的にコントロールしたという。専用のUSB-C充電器が付属する。

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    専用のUSB-C充電器でwena 3を充電する

バンド部は、メタル、レザー、ラバーの3種類を用意。用途や好みに合わせて選べ、多種多様な時計ヘッドを取り付けられるよう、18~24mmまで1mm刻みで、計7種類のエンドピースを用意する。

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    3種類のバンドで計5製品を用意

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    wenaの時計(ヘッド部、別売)。手持ちの腕時計を付けることもできる

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    山中俊治氏がデザインした「wena head designed by Shunji Yamanaka」も発売される

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    ジウジアーロ氏がデザインした「wena head designed by Giugiaro Architettura」はモータースポーツ向けにデザイン