立体的で豊かな音でワンランク上のゲーム体験に
では、実際に音を聞いていきます。とりわけ音が重要なゲームは、やはりFPS(一人称視点のシューティングゲーム)やTPS(三人称視点のシューティングゲーム)ですよね。そこで、まずは、「GSX300」の2.0ch、「GSX300」の7.1chで、バトルロイヤルゲーム『PUBG』をプレイして音を聴き比べてみました。
タイトルによっては2.0chでもバーチャルサラウンドとして再生をしているので、足音や銃声の方向性はヘッドセットを使えば分かります。実際に、2.0chと7.1chを切り替えても劇的に敵の足音の方向性が聴こえやすくなったという差はありませんでした。ですが、前後左右の位置関係はより際だった印象。銃声にしても、着弾したのか、どこから撃たれたのか、7.1chにしたときがより明瞭になります。
さらに、音のプリセットを変更することで、銃声や足音の違いがかなりわかるようになりました。プリセットにあるESPORTSが足音や銃声を際立たせているので、方向性もそれにあわせてより際立ちます。
次に、同じくバトルロイヤルゲームの『Fortnite』です。設定で3Dヘッドホンをonにしてプレイ。2.0chと7.1ch、PCのサウンドカードと聞き比べてみました。
印象的には『PUBG』と同じで、ヘッドホンをしていればPCのサウンドカードでサラウンドは感じますが、「GSX300」を使用すればより明瞭に聴こえます。「GSX300」のプリセットも比較してみましたが、これも『PUBG』の時と同様にESPORTSのプリセットを使用していると、足音や銃声の方向性が際立ったように感じました。
今度はゲームのBGMについて検証していきます。今回プレイしたゲームは『カップヘッド』。カップヘッドのBGMには、ノリのいいジャズが使用されており、サウンドトラックが北米ビルボードチャートで1位を獲得したほど人気です。
これまでと同様にプリセットをESPORTSに合わせて聴いてみたところ、かなり高音が強調されていました。ジャズの金管楽器が心地よく鳴り響いてくれています。手描きセルアニメ風のゲームの世界観にもかなりマッチしており、小気味よいリズムを一層楽しめました。
次にプリセットをMUSICに変更。こちらは、打って変わって低音の響きがよくなっています。音楽だけを聴くのであれば、このプリセットがオススメ。低音が豊かに奏でられる分、音場がガッシリと安定し、奥行きを感じられました。『カップヘッド』には、アルト系の金管楽器がメインの楽曲もあるので、MUSICをベースに高音を少しさげたセッティングにすると、さらに深みが増します。
また、「GSX300」はハイレゾ音源に対応します。「GSX300」を介してハイレゾ楽曲を聴くと、明瞭さに加え、音場が立体的に構築されている印象を受けました。筆者の耳では音や楽器の微妙な差までは感じとれませんでしたが、それでも明白に分かる違いがあります。また、「GSX300」を介して、「GSP600」とハイレゾイヤホンを比較してみましたが、そこまで大きな違いは感じませんでした。周波数が30kHzまでのゲーミングヘッドセットでも、「GSX300」を使えば臨場感のあるハイレゾ楽曲を楽しめそうです。
次にPlayStation 4(PS4)にUSB接続で「GSX300」を接続し、そこから「GSP600」を接続します。PS4のコントローラー「DUALSHOCK 4」のイヤホン端子から「GSP600」を接続したのと比較しました。先述した通り、サラウンドや周波数帯ごとの音量調節は、PCソフトの「Gaming Suite」が必要となるため、それらの恩恵は得られません。PS4に接続した状態で本体のスイッチを押しても、ダイヤルのライトは赤に変化しませんでした。
聞き比べてみると、若干「GSX300」を介した方が、音場が広がった気がしますが、そこまで大きな差は感じ取れません。やはり、PCゲーマー向けをうたうだけあって、「GSX300」はPCで使用してこそ能力を発揮します。
「GSX300」は、PCゲーム、特に周囲の音の聞き分けが重要となるFPSにおいては、7.1ch対応ヘッドホンとの組み合わせで絶大な力を発揮します。しかし、それ以上に、ゲームの楽曲を豊かにしてくれたことが感動的でした。
ハイレゾ対応なので、PCゲーマーだけでなく、普段PCで音楽を聴いたり、映画を観たりする人にもオススメ。しかも、価格は10,980円(税込)と、コストパフォーマンスも良好なので、普段使っているヘッドホンやイヤホンをそのままに、音のグレードアップを画策している人にはうってつけだと思いますよ。