韓国産業通商資源部(日本の経済産業省に相当)は、韓国科学技術情報通信部(日本の文部科学省と総務省の一部に相当)と共同で9月10日、AI分野で活用される半導体を開発・製造することを目指す「次世代インテリジェント半導体事業団」の発足式を挙行したことを発表した。
また、同発足式に併せて、次世代のインテリジェント半導体の開発成功に向けた国内半導体エコシステムを構築し、産官学の力を結集させる覚書(MOU)として、「半導体素材 ‧ 部品 ‧ 機器分野の競争力を高めるための協力」に関するMOUと「半導体の主要企業- 機関間の連携と協力」に関するMOUの2件についての締結式を開催したことも明らかにした。
同事業団では、半導体素子/設計/製造装置などの半導体産業全分野を網羅する中長期発展ロードマップを策定し、これをサポートするインフラ機関との連携を促進するのみならず、産官学の架け橋として、未来の需要に対応することを目指した韓国独自の次世代ASIC開発を促進するとしている。韓国政府は、非メモリ半導体(システムLSI)事業の育成を国を挙げて取り組んでおり、同事業はその一環として以前から計画されていたものである。
次世代インテリジェント半導体技術開発事業には、産業通商資源部ならびに科学技術情報通信部の2つの省庁から総事業費1兆96億ウォンが投入され、2020年は103の民間企業(Samsung Electronics、SK Hynix、DB HiTek、SK Telecom、Hanwha Techwin、Hyundai Mobisほか)、32の大学、12の研究所が82の採択された課題の解決を目指していくことになるという。
例えば、韓国最大の通信キャリアであるSK Telecomは、スタートアップのFuriosa AIとともに、クラウドサービスやデータセンターで使用できる神経処理ユニット機能を備えた独自の半導体チップを開発するとしている。また、韓国最大の自動車部品メーカーHyundai Mobisは、半導体設計ソリューションプロバイダーのGaonchipsおよびファブレスのTelechipsと協力して、自動運転車向けAI半導体チップを開発するとしているなど、各プロジェクトがそれぞれ独自のASICの開発やその製造のために必要なプロセス技術や装置開発を行うとしている。