アユートは、Astell&Kernで初めて4.4mmバランス出力を搭載したハイレゾプレーヤー「KANN ALPHA(カン・アルファ)」を10月16日に発売する。価格は149,980円(税込)。カラーはOnyx Black。先行予約を9月18日から受け付ける。
Astell&Kernの高出力設計をコンセプトとした「KANN」シリーズの第3弾モデル。本体サイズ/重さは約117×68×25mm(縦×横×厚さ)/約316gで、初代「KANN」と同等サイズに収めながら、バランス出力のハイゲイン設定時は第2弾「KANN CUBE」と同じ、12Vrmsという高出力を実現(初代KANNは8.1Vrms)。ハイインピーダンスなイヤホンやヘッドホンを余裕を持ってドライブできるという。ゲインは3段階で切り替えられる。
電源回路を再設計し、最長約14時間半の長時間連続再生を実現。松尾電機産業と共同開発した専用超小型タンタルコンデンサを採用しており、電源供給の安定化やノイズ抑制を図っている。
本体上部に、3.5mmアンバランス出力(光デジタル兼用)と2.5mm 4極バランス出力に加え、Astell&Kern初となる4.4mm 5極バランス出力(日本ディックス製Pentaconn)を装備。
「4.4mmバランスを搭載したことよりも、どのように実装したかが最も重要」としており、マイクロリレーを使って2.5mmバランス出力と4.4mmバランス出力を物理的に分離し、オフになっていない出力側からの干渉を遮断する独立構造「Noise-free Output」を採用し、超低ノイズを実現するという。
物理的な接触ノイズを最小限に抑えるために、アンバランス/バランスの3つの出力端子にゴールドPVDコーティングを施し、デザインと機能性を向上。新設計回路により、ハイゲインのバランス出力時は-141dBという“最高レベルの低クロストーク”を実現するという。
ESS Technology製の最新DACチップ「ES9068AS」を左右独立のデュアル構成で搭載。クアッドコアCPUの処理能力と合わせて、DSD 256(11.2MHz)のネイティブ再生と、最大384kHz/32bitのPCM再生をサポートする。DACメーカーが提供するさまざまなDACフィルターを備え、192kHz/24bitまでのPCM音源であれば好みのサウンドにカスタマイズできる。
ES9068ASの内蔵MQAレンダラーを使ったハードウェアレンダリングによるMQA 8xデコードをサポート。CDリッピング用ドライブ「AK CD-RIPPER」(別売)にKANN ALPHAを接続し、MQA-CDを再生する際にも適用できる。
Android 9.0をベースに独自開発したファームウェアを搭載し、従来バージョンよりもさらに安定した動作を提供するという。Open Appを介して音楽ストリーミングアプリが使えるほか、将来的なアプリのアップデートもサポート。他にも、独自のネットワークオーディオ再生「AK Connect」や、動画ストリーミング機能「V-Link」、車で操作しやすい「カーモード」などが利用できる。Bluetooth 5.0準拠で、対応コーデックはSBC、AAC、aptX、LDAC。IEEE 802.11b/g/n準拠の無線LAN機能(2.4GHz帯)も備える。
本体側面のボリュームホイールにはLEDを搭載し、光り方によって再生中の曲のビット深度やボリューム調節状態を表示する。
4.1型/720×1,280ドットのタッチスクリーンを搭載。本体ストレージ容量は64GB。microSDカードスロットを1基備え、最大1TBまでのmicroSD/SDHC/SDXCカードが使える。対応ファイル形式はWAV/FLAC/MP3/WMA/OGG/APE/AAC/ALAC/AIFF/DFF/DSF/MQA。インタフェースはUSB Type-C(USB 3.0)で、急速充電や高速データ転送に対応。USB DAC機能やUSBオーディオ出力も利用できる。
別売オプションとして専用ケース「KANN ALPHA Case」を用意。ベジタブルタンニンなめしのConceria Puccini Attilio製イタリアンレザーを採用し、使うごとに生まれる光沢やツヤ、色合いの変化が楽しめるという。ケースは直販サイト「アキハバラe市場」のみで取り扱い、価格は13,980円(税込)。カラーはBlackとGolden Brownの2色。
【訂正】初出時のNoise-free Outputの回路図が、GNDを追加したものに更新されたため、画像を差し替えました(9月24日更新)。