最近の洗濯機は高性能ですが、それでも洗濯する前にガンコな汚れを部分洗いする人は多くいます。そんな日本特有ともいえる悩みを解消してくれるかもしれないのが、9月28日に発表されたアクアのタテ型洗濯機「Prette」シリーズ。部分洗い洗浄機能「らくらく SONIC」を搭載しています。
ラインナップは容量別に全5機種で、最上位機種は業界初となる最大容量14kgに対応。発売は9月16日で価格はオープン、推定市場価格(税別)は容量別に110,000~160,000円前後です。
乾燥機能を省いたお手ごろ価格ながら、洗剤の自動投入機能を搭載
Pretteシリーズは、乾燥機能を持たない洗濯専用のタテ型洗濯機。乾燥機能がない洗濯機は全体的な機能も少ない製品が多いなか、Pretteシリーズはプレミアム洗濯機の定番機能となっている液体洗剤と柔軟剤の自動投入機能を搭載。タンクに洗剤や柔軟剤を入れておけば、洗濯のたびに適切な洗剤量を自動投入するので、洗剤の計量や入れすぎを防げます。
最大の特徴は洗濯機だけで完全する超音波予洗い機能
アクアによると、洗濯機で洗う前にシャツのエリやソデの皮脂汚れ、醤油やソースといった食べこぼしの汚れを部分洗いするユーザーは、79%もにものぼるそうです。今回の新製品となるPretteシリーズは、この「予洗い」を洗濯機でできる「らくらく SONIC」機能が最大の特徴です。
らくらく SONICとは、洗濯機の内部に搭載された超音波洗浄ユニットのこと。40kHz(約4万回/秒)という超高速振動する「超音波ホーン」に、洗剤水で濡らした汚れを押し当てることで、すばやく手軽に汚れを落とせます。しかも、揉み洗いやブラシ洗いと違い、衣類の繊維を傷めにくいというメリットも。
洗濯機に詳しい人なら「他社製品でも超音波洗浄機を付属した洗濯機はあったじゃないか」と思うかもしれませんが、これは洗濯機にハンディタイプの超音波洗浄機を同梱したもの。今回のPretteシリーズは、超音波洗浄ユニットが洗濯機本体と一体化しているのが大きく違います。
洗濯機本体と超音波洗浄機を一体化したメリットはさまざまありますが、大きいのはなんといっても「洗浄液まで自動で作ってくれる」こと。超音波洗浄機は、汚れた布を水や洗剤混合水で濡らしてから、汚れにホーンを当てる必要があります。このため、シンクや洗濯桶に水や洗剤混合水をためて、そこで予洗いをしてから洗濯機に衣類を入れる必要がありました。
一方でらくらく SONICは、洗濯物の投入口の上で自動的に超音波洗浄に最適な約5%濃度の洗剤混合水を作成。予洗いが終わったら、そのまま衣類を下に落とせば洗濯槽の中です。さらに、予洗い終了後に超音波洗浄ユニットを本体内部に戻すと、汚れた水を自動回収して、トレイも自動的に水洗いしてくれます。
もうひとつのメリットとして、超音波洗浄ユニットのパワーも挙げられます。洗濯機から安定した電力を供給できるので、一般的な超音波洗浄機よりも幅広なホーン(28mm)をパワフルに振動させられるのです。発表会の会場で展示していた洗濯物を見ると、ボールペンや口紅といった落ちにくい汚れもしっかりキレイになっていました。
洗濯槽を使った洗浄力もこだわり
ここでは目新しいらくらく SONICを重点的に見てきましたが、もちろん通常の洗濯槽を使った洗浄にも力を入れています。とくに、液体洗剤を自動投入する機能を搭載したことによって、洗剤液をしっかり泡立てて洗濯する「パワフル泡浸透」が使えるようになりました。洗濯の初期段階で泡だった高濃度洗剤液に衣類を浸すことで、泡が汚れを包み込んで、汚れを浮かせやすくなります(汚れが落ちやすくなる)。
このほか、洗濯中の衣類の状態を確認できて、お手入れしやすいガラストップや、凹凸が少なく緩やかにカーブしていて衣類を出し入れしやすい投入口まわりなど、使い勝手を考えたさまざまな工夫が盛り込まれています。
今回の発表会と新製品で注目を集めたのは、やはり「選択容量14kg」というこれまでにない大容量モデルをそろえたことと、洗濯機一体型の超音波洗浄ユニット「らくらく SONIC」の存在でした。とくに、らくらく SONICはコロナ禍の現在、布マスクに付着したファンデーションや口紅の除去などにも活躍してくれそうです。