この数年「外出先からエアコンを起動」といったIoT家電が増えていますが、便利そうという理由で買い替えるのは難しいものです。かねて筆者が気になっていたのが、ソニーネットワークコミュニケーションズの「マルチファンクションライト」。この製品、外出先から家電のコントロールができるうえ、Blutoothスピーカーや目覚ましとしても使えるという多機能なシーリングライトなのです。

8月7日には、マルチファンクションライトシリーズのハイエンドモデルとなる新製品「MFL-2000S」が発表されました。新製品には上記の機能に加えて、簡易防犯センサーや人感センサーによる自動オンオフ機能も搭載されたということなので、メディア向け説明会で詳細をチェックしてきました。8月7日から予約受付を開始し、販売は8月21日から。価格はオープンで、推定市場価格(税別)は47,000円前後です。

  • マルチファンクションライト「MFL-2000S」。IoT機能のないエアコンやテレビを外出先からコントロールできるだけでなく、さまざまな便利機能を搭載しています

  • スマートフォンの専用アプリで多彩な機能を使いますが、付属のリモコンでも一定の操作は可能

マルチファンクションライトって?

家電を操作できて、スピーカーにも目覚ましにもなるシーリングライトというと「結局それってなんなの?」と思うかもしれません。マルチファンクションライトのMFL-2000Sは、ドーナツ形状のLED照明ユニットと、各種センサーやスピーカーを搭載したマルチファンクションユニットという2つのパーツで構成されています。

  • マルチファンクションユニットを外した状態の照明ユニット。明るさは4,300ルーメン(8畳~10畳用に相当)の照明で、専用リモコンやスマートフォンの専用アプリを使って調光・調色できます

  • 照明ユニットのセンターにセットするマルチファンクションユニット。一見すると置き型スピーカーのような見た目

注目すべきは照明中央にセットするマルチファンクションユニット。MFL-2000Sのマルチファンクションユニットにはスピーカーやマイクのほか、4種類のセンサー(人感・温度・湿度・照度)、リモコン用の赤外線送信部などが搭載されていて、専用アプリと連携させることで照明以外にさまざまな便利機能を使えるのです。

本体とスマートフォンはWi-Fi(IEEE802.11b/g/n)で連携し、スマートフォンを使えば外出先からでもさまざまな機能をコントロールできます。なかでも筆者が気になっていたのが、前述した家電(エアコンとテレビ)のコントロール機能。マルチファンクションユニットの周囲に8個の赤外線送信部が配置されていて、アプリで登録したエアコンやテレビを外出先からコントロールできます。対応するエアコンやテレビはかなり豊富で、国内メーカーのほか一部海外メーカー製品まで、比較的古いモデルの製品も対応しています。

  • ちょっとわかりにくいですが、マルチファンクションユニットの周囲に配置されたリモコン用赤外線送信部。周囲8カ所に配置されているので、部屋のなかで360度の範囲をカバー。天井に送信部があるので、モノが多い部屋でも「障害物でリモコンの赤外線が届かない」という失敗がなさそう

個人的に一番ほしいのが「外出先からエアコンをコントロール」する機能。我が家には室内犬がいるのですが、夏は人間が出かけているときに「エアコンを入れ忘れて熱中症になっていないかな?」と、不安になることも多いのです。MFL-2000Sがあれば、IoT機能を持たないエアコンでも、外部から運転オンオフ、モードや風量、温度の変更までコントロール可能。しかも、MFL-2000Sには温度センサーと湿度センサーが内蔵されているので、外出先からいつでも自宅の温度や湿度をチェックできます。

  • MFL-2000Sの専用アプリ(エアコン操作画面)

  • MFL-2000Sは温度と湿度センサーを内蔵していて、外出先から温度チェックも可能。温度変化をグラフ表示で確認することも

新機能は防犯機能の強化や使いやすさの向上

スマートフォンを使ったエアコンやテレビのコントロール機能は、従来のマルチファンクションライトも搭載していました。MFL-2000Sならではの新しい機能で特徴的なものは3つ。(1)人の動きによる家電の制御、(2)防犯に利用できる「見守りモード」の搭載、(3)人の動作で目覚まし用アラームを停止……です。

(1)の機能は、人感センサーを利用したもの。部屋に人が入ってきたことを感知し、MFL-2000Sが自動的に点灯します。人がいなくなると自動的に消灯させることも可能です。

コロナ禍の現在は帰宅後の手洗いが推奨されていますが、この機能を使えば、帰宅後にスイッチに触ることなく照明を点灯できます。また、自動消灯設定にすれば、照明の消し忘れ防止に。照明は毎日頻繁に使うものなので、これはなかなか便利そう。

  • 半球状のパーツが人感センサー

【動画】人感センサーが人を感知すると、右のLEDライトがチカチカと点滅します

  • 人感センサーの感度や、どれくらいの時間で「人がいない」と判断するかはアプリから変更できます

  • MFL-2000Sは、人感センサーが人を感知した場合や人がいないと判断した場合に、照明に加えてテレビやエアコンも同時に操作する設定も可能。「人がいなければテレビをオフ」といった動作で、電気代の節約にもなりそうです

(2)の「みまもりモード」は、簡易的な防犯機能。留守にするときみまもりモードに設定しておくと、人を感知すると照明が点滅しながら警告音を鳴らします。

みまもりモード中は、MFL-2000Sの内蔵マイクで部屋の音を常に録音しており(古いものから順次消去される方式)、警告音が発せられる30秒前から室内音声を、一度だけ専用アプリから確認できます。残念ながら、録音されたデータは1回しか再生できないのですが、今後のサービスアップデートとともに、このあたりの仕様が変更される可能性もあるそうです。

  • 外出前に「みまもり」を開始。留守のはずの室内で人を感知すると、警報を鳴らします。本体にmicroSDカード(別売り)をセットしていれば、警報が鳴る30秒前からの録音データをチェックすることも

【動画】みまもりモード中に、人感センサーが人を感知したところ。音とともに照明が点滅します
(音声が流れます。ご注意ください)

(3)「人の動作で目覚まし用アラームを停止」は、従来モデルのマルチファンクションライト(スタンダードモデル:MFL-1000A)にも搭載されていた「おはようモード」を使いやすくする機能です。おはようモードとは、朝起きる時間を設定すると、その時間までにゆっくりと照明を明るくして起きやすい環境を整え、時間になるとアラームが鳴るという機能。

これまでは、目覚まし用アラームはスマートフォンのアプリからしか停止できませんでしたが、MFL-2000Sでは人感センサーが人が動くのを検出してアラームを止められます。アラームを止めるために「スマートフォンを探す」「アプリを立ち上げる」「アラームを止める」という動きをする必要がなくなりました。

  • 起き上がる動作でアラームを停止しているところ。人感センサーの感度を低くすれば、大きな動作にしか反応しなくなります

さらに進化する楽しみも

MFL-2000Sはこうした機能に加えて、Bluetoothスピーカーとしてスマートフォンなどの音楽を天井から降り注ぐように鳴らせるほか、テレビの音声を鳴らすことも可能です。対応コーデックはSBCとAAC、aptX LLで、低遅延のaptX LLを使ってテレビとペアリングすると、テレビのスピーカーとMFL-2000Sで音のズレはほとんど感じません。

音声アシスタントのAmazon AlexaやGoogleアシスタントにも対応しています。スマートスピーカーなどを使ってMFL-2000Sを音声でコントロールして、MFL-2000Sと連携させたテレビやエアコンを音声操作できます。

  • テレビと同時に天井からも音を鳴らすことで迫力ある音声を楽しめます

  • もちろん照明としての機能も十分。アプリやリモコンで電球色(2,800K)から白色(6,600K)の調色や、明るさの変更が簡単に行えます。よく利用する照明設定は、アプリにプリセットしておくと便利

  • 夜間に明るすぎない常夜灯モードも搭載

とにかく便利なMFL-2000Sですが、個人的に一番おもしろく感じているのは、将来的に機能の追加が予定されているというポテンシャルの高さ。たとえば、MFL-2000Sで実装された新機能の一部(※)は、現行モデルのMFL-1000Aにも専用アプリのアップデートなどで利用できるようになります。

同じようにMFL-2000Sも、発売後もどんどん便利になっていくことに期待。とくに、いまのところ温度・湿度・照度などのセンサーと連携した機能はあまり活用されていない印象なので、これらが今後どう活用されるのか今から楽しみです。

※:人感センサーによる照明のオンオフ、人の動きによる目覚ましアラーム停止など。人感センサーとテレビやエアコンの連動、みまもりモードは対応しません

  • 現在はみまもりモードで音声データの一時保存に利用するmicroSDカードスロット。今後はこのmicroSDカードを使った便利機能も増えるかもしれません