米Qualcomm Technologiesは7月27日 (現地時間)、同社の高速充電技術の最新版「Quick Charge 5」を発表した。安全にバッテリ-を保護しながら、Quick Charge 4から最大4倍の高速充電を実現。最大の充電性能を引き出せる状態なら、4500mAhのバッテリーを5分で空の状態から50%まで充電可能。約15分でフル充電できる。また、Quick Charge 2.0~4+との後方互換、USB PD互換によって、iPhoneを含む数多くのモバイルデバイスでQuick Charge 5アクセサリを使った高速充電を利用できる。現在、顧客へのサンプリング提供を行っており、今年第3四半期中に対応製品が登場する見通し。Snapdragonでは、Snapdragon 865/ 865 Plus以降から同技術をサポートする。

  • Quick Charge技術の充電性能の伸び

    2013年の最初のQuick Chargeテクノロジに対する充電性能の伸びは、Quick Chage 4まで「1.5倍」「2.0倍」「2.5倍」だったのが、Quick Chage 5で「10倍以上」に跳ね上がった

Quick Charge 5は、SMB1396やSMB 1398といった最大変換効率が98%を超える新しいパワーマネージメントICによって1SnPおよび2SnPバッテリーをサポートする。スマートフォンの標準的なシングルリチウムイオンバッテリーの充電電圧は約4.5V。2Sバッテリーにすることで2倍の充電電圧を得られる。12項目にわたる電圧/電流/温度の保護、デュアル/トリプルチャージ、供給電圧を最適化するINOV4、Qualcomm Battery Saverなどによって電流や温度を制御し、安全に2SnPバッテリーの充電性能を引き出す。Quick Charge 4より効率性は最大70%高く、動作温度が最大10度低くなる。

  • Quick Chage 5の互換性

    Quick Chargeの後方互換とUSB PD互換によって、充電器などQuick Charge 5アクセサリを使ってiPhoneを含む数多くのモバイルデバイスで高速充電を利用できる

充電アダプターなどQuick Charge 5アクセサリは、3.3~20V出力、3Aおよび5A(または>5A)をサポート。「従来の45Wソリューションで、100Wを超える充電機能をサポートできる」としている。Quick Chargeの後方互換に加えてUSB PD互換によって、Quick Charge 4でも豊かな互換性を実現していたが、Quick Charge 5対応のアクセサリはさらに幅広いコネクタをサポートする。Quick ChargeをサポートするAndroidデバイス、USB PD対応のiPhoneなど、どのようなデバイスを接続しても、Qualcomm Smart Identification of Adapter Capabilitiesテクノロジが最適な電圧・電流、供給に調整することで高効率な充電を実現する。安全な充電は、充電するバッテリーのライフサイクルの延長につながる。