Core i9とRTX 2070 SUPERの威力をチェック
ここからは一番気になるであろう性能チェックに移りたいと思う。性能を見るにあたり注目したいのが、動作モードとして「サイレント」、「パフォーマンス」、「Turbo」が用意されていること。オフィスワークやネットサーフィン向けのサイレントは動作音が35dB、ゲーム、制作むけのパフォーマンスで43dB、動画のエンコードやプロのクリエイティブ作業向けのTurboで46dBになるという。モードごとにどう性能が変わるのかも試していきたい。
まずは、「PCMark 10 v2.0.2144」、「3DMark v2.10.6797」、「CrystalDiskMark 7.0.0f」の結果から見ていこう。
PCMark 10のスコアは、さすが8コア16スレッドのCore i9-10980HKと言える結果だ。とくにパフォーマンスやTurboモード時のスコアは、デスクトップ向けの8コア16スレッドのCPUと比べてもそん色がない。3DMarkのスコアもデスクトップ版のGeForce RTX 2070 SUPERに比べると多少スコアは下がる印象だが、それでも十分アッパーミドルと言えるものだ。
ストレージの最大性能を見るCrystalDiskMark 7.0.0fの結果は、インタフェースであるPCI Express 3.0 x4の限界近くまでデータ転送速度が出ているのが分かる。さすが、NVMe SSDをRAID 0で構成しているだけのことはある。ゲームのロード時間などで不満を感じることはないだろう。
基本的なベンチマークはここまでにして、本題と言える実ゲームのベンチを紹介していきたい。定番としてMMORPGの「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」、軽めのゲームとしてFPSの「レインボーシックス シージ」、高い性能を求める重量級ゲームとして「モンスターハンターワールド:アイスボーン」を用意した。
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークは、最高画質でもパフォーマンスとTurboモードでは「非常に快適」という評価。サイレントモードでスコアがガクッと下がるのは、負荷が長時間続き、PCの熱が高くなるとファンの回転数を高めるのではなく、性能を落として発熱を抑えているのが原因と思われる。
レインボーシックス シージは内蔵のベンチマーク機能で測定した。比較的軽めのゲームなので、画質を「最高」に設定しても高いフレームレートを出している。Turboモードなら、最大が300fpsオーバーとなり、リフレッシュレート300Hzの描画スピードを活かし切れる。
モンスターハンターワールド:アイスボーンは集会エリアを作成し、一定のコースを移動した際のフレームレートをCapFrameXで計測している。重量級ゲームでもパフォーマンスとTurboモードなら平均60fpsを大きく超えており、快適にプレイできるのが分かる。サイレントモードの最小fpsが落ち込んでいるのは、ベンチマークの終盤、PCの発熱が大きくなり、性能を大きく落としたのが影響していると考えられる。
また、エンコード速度の違いもチェックしてみた。4Kクリップ(約4分)をペガシスのTMPGEnc Video Mastering Works 7でH.264とH.265に変換するのにかかった時間を測定した。どちらもソフトウェアエンコードで実行している。サイレント、パフォーマンス、Turboそれぞれモードの違いによる性能差が分かりやすく出ている。Turboモードは動作音が大きいが、エンコードなどCPUをフルに使う作業では高い性能を発揮できる。作業内容に合わせてモードを変更して使うのがベターと言えそうだ。
最後に、ROG STRIX SCAR 15は重量級のゲームを余裕でプレイでき、クリエイティブ用途にも使える性能を持つと、多くのユーザーを満足させられるゲーミングノートだ。性能に妥協したくないなら、ぜひともチェックしてほしい。