日本HPは、6月29日に新製品のオンライン発表会を開催し、クリエイター向けPCの新製品などを発表した。新製品については別記事で紹介しているので、ここでは発表会の様子を紹介する。

  • 今回の新製品では、プロ向けからエントリー向けまでクリエイター向けPCのラインナップを拡充

“1億総クリエイター時代”に向けたクリエイターPC

今回の新製品は、薄型軽量設計のモバイルワークステーション「HP ZBook G7」シリーズ、クリエイター向けに性能を強化した「HP ENVY」シリーズや、VRヘッドセット新製品「HP Reverb G2 VR Headset」などで、いずれもクリエイターをターゲットとした製品となっている。

発表会の冒頭、日本HPの九嶋俊一氏が登壇し、現在の日本HPの状況や市場戦略、投入する新製品の背景について説明した。HP創業者の一人であるビル・ヒューレット氏の言葉に「最大の競争優位は、本当に大変なときに正しい行いをすること」というものがあるという。コロナ禍の中、日本HPではその言葉のもと、従業員、パートナー、顧客の、それぞれの家族も含めた安心安全、そして事業を継続することが非常に大事であると考えて、在宅勤務を中心として事業を継続している。

  • 発表会で日本HPの取り組みについて説明する、日本HP 専務執行役員 パーソナルシステムズ事業統括の九嶋俊一氏

合わせて、新型コロナウイルス感染症対策支援の様々な取り組みを行っていると九嶋氏は説明。例えば、3Dプリンターで印刷したフェイスシールドや人工呼吸器のバルブなどを医療現場に提供したり、オンライン授業を中心としたブレンド型学習などに約8.5億円の寄付、在宅勤務に必要となるセキュリティ対策としてHPが提供しているセキュリティ技術の無償提供、安全対策を確保したうえで日野工場においてPCの東京生産を続ける、といった支援や取り組みを行っているそうだ。

  • 日本HPは、HP創業者の一人であるビル・ヒューレット氏の言葉に従って事業を継続しているという

  • HPでは、新型コロナウイルス感染症対策支援として様々な取り組みを行っている

そういった中、日本HPでは、パソコン事業全体のミッションを再定義。日本HPは以前から、将来のオフィス環境や教室がどうなるかを定義し、そこに向けて製品やソリューションを開発して届ける……ということを推進してきたというが、その一部が将来ではなく今実現しなければならなくなったそうだ。テレワークやオンライン授業などが実際に広く行われるようになって見えてきた課題も踏まえて、接続性、生産性、学び、安全性という4つの柱をベースにミッションを再定義し、今後の事業を推進していくとした。

コロナ禍における新たな日常では、テレワークやオンライン学習の経験者や、動画配信サービスの利用者、PCからのネット利用者が増えているとし、こういった新しい体験をどう次に活かしていくかが大事であると。その中で非常に重要なパートが「クリエイティブ」であると九嶋氏は指摘した。

  • 現在のコロナ禍を受けてパソコン事業全体のミッションを再定義

ミレニアル世代やZ世代と呼ばれている人たちの80%が、自己表現のためにクリエイティビティを使っていきたいと考えており、実際に本当のクリエイションを行う場面では61%がPCを使っているという。営業活動の中でもYouTubeを活用するなど、これまでクリエイティビティにあまり縁のなかったユーザーにも広がりつつあるとのこと。

プロのクリエイターでは、これまで通りのいいものをリモート環境で作っていくための工夫が進んでいる。そこで日本HPは、今後は「1億総クリエイター時代」になっていくとし、プロ向けからカジュアルクリエイター向けまで、クリエイター向けのPCラインナップを拡充していく。それが今回の新製品だ。

  • 今後は「1億総クリエイター時代」