2020年3月18日にスマホで「モバイルPASMO」が利用できるようになりました。とはいえコロナ禍で取材がリモートに変わり、まさにその頃からほとんど外出しない状況に。ここ最近でようやく活用できつつあります。

  • GoogleのAndroidスマホ「Pixel 3」に「モバイルPASMO」を登録しました

    GoogleのAndroidスマホ「Pixel 3」で「モバイルPASMO」を登録しました

交通系ICカードはモバイルが便利!

筆者は首都圏のJR沿線に住んでいるので、「モバイルSuica」を利用しています。カードタイプの「Suica」ではなく、モバイルSuicaにしておいて良かったと思うのは、JR東日本以外のエリアで利用した時。コロナ禍前は出張中、アプリから入金(チャージ)できるという一番のメリットを存分に享受していました。

Suicaは全国の交通系ICカードと相互利用しているので、全国の電車やバスにも乗ることができます。首都圏の私鉄や地下鉄のPASMOエリアでは改札を通るだけで、残高が少なくなっていたら勝手にチャージしてくれます……が、オートチャージの利用エリアは、首都圏のほかは仙台・新潟エリアのみ。普段、チャージすることなく改札を通っているので、各地に出張に行った時に券売機でチャージするのはとても面倒。特に北海道では新千歳空港から札幌まで電車だと片道で1,150円もかかるので、残高がすぐ足りなくなってしまいます。

でも「モバイルSuica」だと、乗車中にスマホ操作でチャージが可能。一緒に旅行する友だちや同僚が改札で残高不足になってエラーし、慌ててチャージするのを横目に、筆者はスイスイと改札を通るわけです。“スイスイ行けるICカード”だけに。

ただ、オートチャージができるのは、Suica / モバイルSuicaの場合、JR東日本のクレジットカード「ビューカード」だけ。これはiPhoneで利用できる「Apple Pay」のSuicaでも同様です。

「ビューカード」はJR東日本の路線やその沿線の駅ビルなどで利用するとメリットがありますが、別の路線や首都圏以外の人にはあまりメリットがないと思います。しかも一部でもJR東日本の区間が入っていないと、定期券を購入できません。「東京メトロだけ」「東急線だけ」など、JR東日本の路線以外を利用する人は、「モバイルSuica」を利用するメリットが少ないのです。

前置きがかなり長くなりましたが、そんなことから「モバイルPASMO」です!

「モバイルPASMO」がおすすめの人とは?

「PASMO」を発行するPASMO協議会には27の鉄道事業者と33のバス事業者が加盟しているだけに、首都圏の私鉄沿線で暮らす人にとっては、「モバイルPASMO」は待望だったのではないでしょうか。これまでスマホカバーの中に「PASMO」をひそませてピッと改札を通っていた人たちは、今こそ「モバイルPASMO」を使う時です!

ただ、誰もが利用できるというワケではありません。まずAndroidのスマホを利用していること。次にそのスマホには購入時にAndroid 6.0以降がインストールされており、最新版の「おサイフケータイ」アプリがインストールされていること。最後に対応端末であることです。

対応スマホは3種類。「モバイルSuica」と「モバイルPASMO」の両方1枚ずつ利用できるもの。どちらか1枚のみ利用できるもの。「モバイルSuica」のみ利用でき、「モバイルPASMO」は利用できないもの。この3つにわかれます。

両方共利用できる端末は現在、「Xperia 1 II」「Xperia 10 II」「Xperia 8」「Xperia 5」「Xperia 1」「AQUOS R 5G」「Pixel 4」「Pixel 4 XL」「Android One S6」の9機種(6月17日時点)。それ以外の大半のスマホがどちらか1つしか利用できないので、すでに「モバイルSuica」を利用している人なら、わざわざ「モバイルPASMO」に入れ換えなくてもよさそうです。

まとめると、「モバイルPASMO」を利用すべき人とは、首都圏の私鉄沿線に暮らし、ICカードの「PASMO」をオートチャージで利用し、対象のAndroidスマホを「モバイルPASMO」が始められる状態で持っている人。ただし、現在使用しているカードタイプの「PASMO」や「PASMO定期券」は「モバイルPASMO」に移行できないので、区切りの良いタイミングで乗り換えるようにしましょう。

「モバイルPASMO」の使い勝手はほぼほぼ「モバイルSuica」と同じで、交通機関のほか、電子マネーとして対応するお店で買い物ができます。チャージは対象クレジットカードのほか、「PASMO」加盟事業者の駅に設置している「モバイルPASMO」対応の券売機、コンビニなどで現金チャージが可能。オートチャージの初期設定は、残高が2,000円以下になった時に3,000円がチャージされる設定ですが、これは1,000円~10,000円(1,000円単位)の範囲で変更できます。

  • オートチャージが利用できる主なクレジットカード

  • 「モバイルPASMO」はスマホを差し込むトレイがある券売機で現金チャージができます

使いたいと思っても、条件が当てはまらない人も多いと思います。そんな場合は該当する端末に機種変更するタイミングで乗り換えてみてくださいね。

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