バイオベンチャー企業群であるちとせグループ(以下、ちとせ)は、藻類バイオマスを広く活用する社会の構築に向けて、JXTGホールディングス(以下、JXTG)と「藻類バイオマスの培養規模拡大と藻由来の製品開発」についての協業に関する契約を締結したと発表した。

これにより、今後はJXTGグループおよびちとせグループ間で、光合成を活用した低炭素・循環型社会の実現のためにさまざまなバイオ分野で協業していく。

なお、それに先立ちJXTGは2020年3月に、JXTGイノベーションパートナーズ合同会社を通じ、ちとせに資本参画していた。

JXTGグループは、同社の掲げる「JXTGグループ2040年長期ビジョン」において、「低炭素・循環型社会への貢献」の実現に向けた取組みを推進しており、2040年には、自社のCO2排出について、カーボンニュートラルを目指して、環境配慮型商品開発の積極的な取り組みを推進している。

一方のちとせグループは、光合成利用を活用した藻類の大規模培養技術をはじめ、微生物、藻類、動物細胞などの微細な生き物を活用する技術に強みを持つバイオベンチャー企業群。2019年には、三菱商事などと共同でマレーシアに1,000m2の藻類培養設備を設置するなど、日本国内、東南アジアで農業や食品、エネルギーなどの幅広い分野で事業を展開している。

  • 2019年にちとせが発表したマレーシアサラワク州の藻類培養設備

    2019年にちとせが発表したマレーシアサラワク州の藻類培養設備

ちとせグループは、藻類バイオマスを広く活用する社会の構築に向けた大きな課題として、「藻類バイオマスの大規模な安定的生産」「生産したバイオマスを余すことなく有効活用するための製品開発」をあげている。

今回の協業は、その課題解決に向けたもの。太陽エネルギーが豊富な赤道直下の東南アジアに位置するマレーシアにおいて、藻類培養の規模拡大に取り組むとともに、そこで生産した藻類を由来とする燃料、ケミカル、飼料、機能性素材などの製品の開発に取り組み、事業化を目指していく考えだ。

今後両社は、光合成を活用した低炭素・循環型社会の実現に向けて、藻類事業に留まらないバイオ分野での協業を検討し、社会の発展と活力のある未来づくりに貢献していくとしている。

ちとせグループ
ちとせ研究所を中核とするバイオベンチャー企業群。農業・医療・食品・エネルギー・化学などの幅広い領域で事業を展開している。グループ子会社にタベルモティエラポニカ、植物ルネサンスなど。
代表者:藤田朋宏 (CEO)