――舞台は、謎の寄生菌によるパンデミックが発生したアメリカ合衆国。
菌に感染すると、人は自我を失い狂暴化する。そして、感染者に噛まれたり、感染者の出す胞子を吸い込んだりした人も連鎖的に感染。菌の侵食度合いによって、徐々に人間らしさを失い、「ランナー」「クリッカー」「ストーカー」「シャンブラー」などへと姿を変えていく。
このパンデミックによって文明は崩壊した。感染を免れ、生き残った人々は、コミュニティを形成して生活するようになる。
しかし、生存者がみな互いに手を取り合うとは限らない。法による統治がなく、秩序を失った状態では、物資をめぐる争いや思想の違いによる対立も起こる。「ワシントン解放戦線(WLF)」という武力組織や、「セラファイト」と呼ばれる原始的宗教グループも生まれた。そんな世界で、主人公の少女エリーは、ある出来事をきっかけに復讐の旅へ出る――。
これは、2020年6月19日に発売されるPS4ソフト『The Last of Us Part II』の世界だ。2013年6月20日に発売された前作の『The Last of Us』は、リマスター版含め、1700万本以上の売り上げを記録した人気作。実写ドラマシリーズ化も決まっている。
「操作が難しそうだし、敵に追いかけられたら怖くて泣きそう」という理由で前作をプレイしなかった筆者だが、今作『The Last of Us Part II』では勇気を出して、感染者であふれる世界へと降り立った。
緊張感バツグンのバトルは毎回心臓バクバク
一手間違えれば即詰み――。それが、今作で“ラスアスデビュー”した筆者のプレイ開始直後の感想だ。難易度「ノーマル」でゲームをスタートしたにも関わらず、感染者や敵組織を前に何度も敗北を喫した。だが、プレイするうちに、少しずつ立ち回りを覚えていき、難しさのなかにスリリングな楽しさを見出せるようになった。
『The Last of Us Part II』では、小型のハンドガンやショットガン、弓矢、バット、火炎瓶など、さまざまなアイテムを駆使して感染者や敵対組織と戦う。しかし、好きなアイテムを好きなだけ使えるわけではない。弾丸は立ち寄る施設で少しずつ拾える程度。矢は拾った素材で工作する必要があるし、バットは数回使えば壊れてしまう。
だからといって、丸腰での近接戦闘はリスクが高い。1対1ならまだしも、基本的に感染者や敵対組織は複数で襲いかかってくる。囲まれれば、まず勝ち目はないだろう。
では、どう立ち回ればいいのか。答えは「隠れながら戦う」だ。
基本は、物陰に隠れながら耳を澄まし、相手が近づいてきた瞬間を狙って1人ずつ静かに消す「ステルスキル」を中心に立ち回る。ときには、空き瓶やレンガを遠くへ投げて、音のするほうへ敵を誘導する戦略も必要だろう。見つからずに次のポイントに進めるのであれば、あえて戦う必要はない。
つまり、無駄な撃ち合いを避け、バレずに敵を倒していき、いざというときのみショットガンや弓矢などのアイテムを使うといった、戦略性の高いステルスバトルが繰り広げられるのだ。
そんな命がけのステルスバトルは、何度やっても緊張感バツグン。動き回る敵の視界に入ったり、物音を立ててしまったりしたら、「いたぞ! こっちだ!」と、フロアにいる敵が一斉に向かってくる。バレた瞬間は、「うわわわわ」と慌ててしまい、コントローラー操作もままならない。
最初は、上手な隠れかたがわからずに「すぐ敵にバレて、無謀な銃撃戦をはじめ、散る」ということが多かった。だが、敗北しても直前のポイントからやり直せるので、「次はあそこに身を潜めてみよう」「矢を放ったあと、隣の廃墟に移動しよう」と、トライアンドエラーを繰り返せる。そうやって少しずつ、ステルスバトルのコツを身に着けていけるわけだ。
ステルスバトルの要領を得られると、この緊張感が楽しくなってくる。生きるか死ぬか、その緊迫した命のやり取りを終えると、コントローラーを握る手は汗ばんでいるし、心臓はバクバク。特に、みごと無傷で敵を倒しきったときや、華麗に逃げ切ったときは、かなりの達成感だ。
また、感染者だけでもさまざまなタイプが存在するうえに、隠れていても「におい」で追跡してくる番犬、口笛で仲間と連携をとるセラファイトなど、相手に応じた立ち回りの工夫が求められるのも、白熱させるポイント。忍耐強く隠れたり、音でうまく誘導して正面の戦闘を避けたり、細かい戦術はプレイヤーの性格によって差が出るだろう。
筆者の場合、あまり我慢できないタイプなので、ショットガンでの一撃を号砲に、「うわあああ」と叫びながら敵の包囲網のなかに飛び込んでいき、バールのようなもので殴っては逃げ、殴っては逃げるというスマートさのかけらもない立ち回りを繰り広げることもあった。