スマホのタッチ操作を活かして編集

プロジェクトのタイムライン画面は上部にプレビューウィンドウが表示され、その下に映像や音声のトラックが並びます。ひとつのプロジェクトには動画・音声を含めて最大7つのトラックを追加でき、映像のクリップを分割して前後を入れ替えたり、スマホの画面タッチ操作を活かした直感的な動画編集が行えます。

今年(2020年)2月にRushアプリの機能アップデートが実施され、ビデオクリップからオーディオを切り離す機能が加わりました。クリップを長押しで選択すると表示されるメニューから「オーディオを分離」を選択します。例えばビデオを分割して、間に文字で解説を書いたパネルの静止画を表しながら、音声によるコメントは流し続けるといった少し高度な編集もできます。

  • プロジェクトのタイムラインには映像と音声を合わせて最大7つのトラックが配置できます。それぞれの順番はドラッグ&ドロップで変更可能

  • 撮影した映像から音声トラックを分離して別々に使える機能がアプリのアップデート後から加わりました

タイムラインの下に並ぶメニューからタイトルや場面転換の際のトランジション効果などが加えられます。「タイトル」とは字幕のことです。シンプルなテキストだけのタイトルや、プロジェクトの先頭に置いて華やかなオープニングタイトルっぽくできるアニメーション付きのタイトルスタイルがテンプレートとして用意されています。「Adobe Stock」から様々な素材を無料でダウンロードして、商用も含めて様々な用途の動画に利用できるところがRushアプリの魅力でもあります。

メニューに並ぶ「カラー」を選択すると、クリップ単位で映像の色や明るさ、シャープネスなど編集時点でわいてきたイメージを映像に細かく反映させることができます。

  • Adobe Stockの素材からタイトルや字幕に使える様々な文字エフェクトが選べます

  • クリップ単位で細かくカラー調整ができます

フォント設定やサウンド追加、ノイズ除去機能も

Rushアプリには、まわりとひと味違う“差が付く動画”が簡単に手間なく作れる機能が揃っています。

例えばタイトルに使う「フォント」は、世界のフォントメーカーがアドビに提供する数百種類のフォントから選べます。タイトルの「フォント」から「Adobe Fonts追加」を選んで、リストの中から任意のフォントを追加料金なしでダウンロードできます。文字はサイズを変えたり、塗りつぶしの色やアウトライン(縁取り)の設定、文字間・行間調整にも対応しています。

  • テロップの文字をアドビオリジナルやパートナーメーカーのものを含む多彩なフォントから選べるのがRushアプリの大きな特長のひとつです

  • 文字のサイズに色、行間調整など丁寧に設定すればますます見やすい動画にブラッシュアップが図れます

動画の中に静止画も入れられます。例えば動画の中で話題に触れた、人物や製品を静止画で挿入すると情報量が増やせます。

  • 動画の中に静止画を配置。レシピ動画を作るときに、材料のリストを表示する時などに便利だと思います

撮影済みの動画の背景に、消したい騒音やBGMまで収録されている場合は「オーディオ」の中にある「ノイズを除去」機能が便利です。反対に動画の中で話をしている人物の声を強調できる「スピーチ強調」の機能もあります。

  • 声のバックグラウンドに収録されてしまった環境ノイズなどを消去できる機能や、スピーチ強調の設定メニューなども用意されています

背景に音楽を流すだけで、見ていて楽しい動画に仕上がる場合もあります。Rushアプリには著作権フリーの「Rushサウンドトラック」が33種類収録されています。タイムラインの画面下にある「+」アイコンをタップして、「メディア」から「Rushサウンドトラック」を選びます。

  • 著作権フリーのサウンドトラック素材も充実

サウンドトラックを重ねて、動画の中で話している人の声が聞きづらくなってしまったら、サウンドトラックを選択してから「オーディオ」メニューの中にある「自動ダッキング」をオンにします。AIを活用したアドビの予測インテリジェンス機能「Adobe Sensei」と機械学習の技術により、人の声とBGMの音量バランスを自動的に調整してくれる機能です。

この機能では、人が話し始めるとBGMが静かになって、話し終わると再びBGMがしっかり聞こえるようになります。自分で録音したサウンドトラックを読み込んだ場合も、Adobe Senseiが人の声か、または音楽かを自動で分類してダッキング処理の対象としてくれます。

  • 自動ダッキングの機能を使うと人が話をしているシーンでは自動的にサウンドトラックのボリュームを絞ってくれます

  • トラックに含まれている音が人の声か、または音楽かをAdobe Senseiが自動的に判別してタグ付けをします。無音のトラックは「その他」として分類されるようです