米Appleが4月30日 (現地時間)に発表した同社2020年度第2四半期 (2020年1月〜3月)決算は増収減益だった。新型コロナウイルス (COVID-19)の影響で、iPhone、iPad、Macの売上高が前年同期を下回った。しかし、サービスが過去最高を更新、23%増の「ウェアラブル/Home/アクセサリ」と共に全体を押し上げ、売上・1株利益ともアナリストの予想平均を上回った。短期的な動向を見通せない状況が続いており、4〜6月期についてガイダンスを示すのを控えた。CEOのTim Cook氏によると、サプライチェーンは3月末に通常の水準に戻っており、3月後半から鈍化していたセールスも4月後半に回復し始めている。
1〜3月期の売上高は前年同期比1%増の583億1300万ドル。純利益は同3%減の112億4900万ドルだった。希薄化後の1株あたり利益は2.55ドル。市場予想の平均は、売上高545億ドル、1株利益2.26ドルだった。
1月28日に2019年10月〜12月期の決算を発表した時点では、1〜3月期について通常の水準の伸びを予想していたが、中国でCOVID-19の感染が拡大し、iPhoneの十分な供給が困難になることから2月18日に売上予想を達成できない見通しを示した。その後COVID-19の感染が中国以外の国・地域に拡大し、Appleはグローバル規模で直営店を休業させている。そうした中でも増収を達成。3月にLiDARスキャナーを搭載した新「iPad Pro」、Magic Keyboardを採用した新「MacBook Air」を発表・発売した。以下は3月期の事業別の売上高(増減は前年同期比)。
- iPhone:売上高289億6200万ドル (7%減)
- Mac:売上高53億5100万ドル (3%減)
- iPad:売上高43億6800万ドル (10%減)
- ウェアラブル/Home/アクセサリ:売上高62億8400万ドル (23%増)
- サービス:売上高133億4800万ドル (17%増)
売上高全体に占めるiPhoneの売上高の割合いは50%。国/地域別では、COVID-19の影響を最も早く受けた中国が売上高94億5500万ドル (前年同期比7%減)と大きく落ち込んだ。最大の市場である米州は254億7300万ドルでほぼ横ばい。日本は6%減の52億600万ドルだった。