昨年8月に、まずMobile向けのU/Y SKU(TDP 15/9W)を発表、次いで今年4月にTDP 45WのH SKUが発表されたComet Lakeであるが、そのDesktop版であるComet Lake-Sの情報がやっと解禁になったので、その内容をお届けしたい。
Core i9で動作周波数は5.3GHzへ
さて、そのComet Lake-Sであるが、ハイエンドのCore i9では遂に5.3GHzまで動作周波数を引き上げる事になった(Photo01)。これをサポートすべく、Intel Extreme Tuning Utilityも使い勝手を改善したほか、更に機能を追加したとしている(Photo02)。またTIM(Thermal Interface Material:熱伝導物質)も厚さを減らすようにしたことで、更に放熱特性を改善したとしている(Photo03)。加えると、従来はCore-Xのみにのみ提供されていたIntel Turbo Boost Max 3.0を、今回からはCore i9に加えてCore i7にも利用できる様にした(Photo04)。
こうした性能引き上げの努力の結果として、ハイエンドのCore i9-10900Kは10コア/20スレッドでTurbo Boost Max 3.0での動作周波数は(冒頭にも書いたが)5.3GHzに達した(Photo05)。これによる効果、ということで性能改善の度合いをまとめたのがこちら(Photo06)である。
チップセットはIntel 400シリーズへ
さて、これを支えるプラットフォームであるが、新しくIntel 400シリーズチップセットが投入される(Photo07)。厳密に言えば、昨年8月の発表時のこの資料の中に、既にIntel 400シリーズの名前がある訳で、単にこの時はCPUと同一パッケージに搭載されるMCM構造だったのが、Desktop向けには別チップでの提供となった、という話でしかない。
Featureで言えば、最大40レーンのPCI Expressというのは現在のZ390と差が無い(チップセットからx24、CPUからx16で合計x40)ところで、Z390に比べて強化された部分は前述のTurbo Boost Max 3.0のサポートの他、2.5GBASE-T EthernetのサポートとWi-Fi 6の搭載といったあたりになる。今回はZ490(Photo08)とH470(Photo09)の概略も公開されたが、2.5GBASE-T EthernetのサポートとWi-Fi 6以外にZ390やH370との差異は見当たらない。
ラインナップは一気に32製品
Photo10~Photo13が今回発表される製品SKU一覧である。合計で32製品にも及ぶ。
ただラインナップを見るといくつか大きな変更がある。具体的には、
- Core i9が10コア、Core i7が8コア、Core i5が6コア、Core i3が4コア、Pentium/Celeronが2コアと、ある意味判りやすくなった。
- これに伴い、Core i9~Pentiumまでは全てHyperThreadingが有効になり、HyperThreading無効なのはCeleronのみとなった。
- Core i3でもTurbo Boostが有効になった。その一方でCore i3からK(Unlocked)がなくなった(第9世代ではCore i3-9350Kがあった)。
- 公式にGPUありモデルとGPU無し(F)モデルで値段を変えてきた。実際店頭価格などを見るとGPU無しモデルの方が安価になっていたが、実際に価格を見ると16USD~25USDほどGPU無しモデルの方が安価になっている。
- ハイエンドのTDPが95Wから125Wに引き上げられた。このTDPについては、Core i9-9900KSが127Wになっており、これとほぼ同じということは、Core i9-9900KS並みの発熱を覚悟する必要があるということになる。ちなみに従来の製品が3年保証だったのに対し、Core i9-9900KSではその発熱の多さのためか保証期間が1年に短縮になっているが、今回のComet Lake-Sが3年保証なのか1年保証なのかは不明。
- DDR4-2933のサポートはCore i9及びCore i7のみ。Core i5以下は引き続きDDR4-2666までのサポート。
といった形になっている。
現時点ではまだ発売日とか詳細、あるいはPhoto06で示した以外の性能ベンチの結果などは明らかになっていないが、これまでの流れからすればそう遠くない時期に解禁・発売になると思われる。