テレワークや在宅学習で外出自粛が続く昨今ですが、「仕事や勉強に集中したい」「Web会議で音声をはっきりやり取りしたい」とイヤホンやヘッドホンが求められるシーンは増えています。ヘッドホンの売れ筋を紹介した前回の「在宅ワークに欲しい自宅用ヘッドホン、売れ筋と選び方」に続き、イヤホンとヘッドホンの専門店・e☆イヤホン秋葉原店を訪ね、今回はイヤホンの売れ筋を取材しました。

同店におけるイヤホンとヘッドホンの売れ行きはおおよそ8:2で、イヤホンの売れ行きの半分が完全ワイヤレスタイプとなっているそう。同店営業部の東谷圭人氏は「完全ワイヤレスタイプは、普段有線タイプを使っている人も購入することがよくありますが、逆はあまり聞きません。そういうこともあって、売れ行きが好調に推移していますね」と言います。今回のランキングも、すべて完全ワイヤレスとなりました。

  • e☆イヤホン秋葉原店の新品イヤホン売り場。DS本部 営業部の東谷圭人氏にナビゲートしてもらった

最安なら4,000円以下から選べるようになった完全ワイヤレスタイプですが、売れ筋の上位に来るのは独特の強みがあるモデルが多いようです。下記の“買い物のコツ三箇条”を踏まえて、ランキングを追いかけていきましょう。

  • 完全ワイヤレスでもっとも重要な要素は「フィット感」。試着してから買う習慣を付けよう
  • 再生時間の長さはここ数年で顕著に伸びた。長めを求めるなら、公称二ケタ(10時間以上)の持ちが理想
  • そのうえで、ノイズキャンセリング(NC)や通話品質、デザインなど、独自の強みに注目したい

※本文と写真で掲載している価格は、2020年3月18日11:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。

第1位:最強クラスのNCを実装する「WF-1000XM3」

売れ筋トップとなっていたのは、ソニーの完全ワイヤレス最上位となる「WF-1000XM3」でした。2019年7月発売ながら、売り上げ金額ベースで同店の2019年総合トップとなったモデルで、直近でも一番人気を維持しているそう。強力なノイズキャンセリング機能を備えていて、最大連続再生時間はNCオフで8時間、NCオン6時間となります。取材時の税込み価格は23,750円。

「アップルの『AirPods Pro』がNCを搭載したことから、NCがより多くの人に知られるようになり、強力な性能を持つWF-1000XM3の人気も高めたところがあります。音楽やラジオ、動画などを集中して楽しみたい方にお勧めです」

  • ソニー「WF-1000XM3」

第2位:通話品質とフィット感に定評のある「Elite 75t Titanium Black」

続く2位は、Jabraが2019年11月に売り出した「Elite 75t Titanium Black」。4つのマイクを内蔵して高い通話品質を実現したことが特徴で、連続再生時間は最大7.5時間。IP55の防塵防滴仕様になっています。税込み価格は23,560円。

「風や雑踏の音を抑えつつ、話者の声がしっかり届けられるので、仕事で通話する機会の多い人に人気があります。加えて、装着感がすごく良いのも魅力です。いろいろなモデルを試着していまいちフィットしなかった人でも、コレはしっくりいったというケースがたびたびあり、我々もお勧めすることが多いですね」

  • Jabra「Elite 75t Titanium Black」

第3位:ソニーでNC不要な人に支持される「WF-H800」

3位は、ソニーから2020年2月に登場したミドルモデル「WF-H800」です。NC機能はついていませんが、WF-1000XM3と同じ6mmドーム型のドライバーユニットを採用し、連続再生時間も最大8時間をキープしています。そのうえで、片耳あたりの重量は0.9g軽い約7.6gとなり、きょう体も小型化しているのが特徴といえるでしょう。税込み価格は21,560円でした。

「NCは不要という方もいらっしゃるので、より買いやすく、よりコンパクトに、となるとこちらになりますね。カラーバリエーションが5種類あって、手触りも違うのが面白いところです。身につけるアイテムとしての品定めも楽しいモデルですね」

  • ソニー「WF-H800」

  • カラーバリエーションが実機で確認できる

第4位:装飾品的な魅力も備える高級路線「MW07 Plus」

4位は、MASTER&DYNAMICの「MW07 Plus」。2020年1月に発売されたモデルで、10mm径のドライバーを搭載し、連続再生最大10時間のロングバッテリーが特徴です。IPx5等級の防滴仕様と、NC機能も備えています。ボディーの仕上げはハンドメイドで、素材の風合いによる個体差があるのも魅力。取材時の税込み価格は36,480円でした。

「当店では取り扱いがありませんが、ルイ・ヴィトンとのコラボモデルもリリースされています。見た目の高級感から、やはりアクセサリー的な人気もありますね。それでいて、イヤホンとしてのスペックも総じて高いのがポイントです」

  • MASTER&DYNAMIC「MW07 Plus」

第5位:プラスがついて劇的に進化した「Galaxy Buds+」

5位には、2020年3月に登場したばかりのサムスン電子「Galaxy Buds+」がランクインしています。グループ会社のAKGがサウンドプロデュースを担った製品で、連続再生は最大11時間を確保しています。税込み価格は17,620円。

「ベースの『Galaxy Buds』は、Galaxyスマホの周辺機器として登場しましたが、『+』が付いたのこのモデルはiOSでもほぼすべての機能が使えるので、用途が広がりましたね。連続再生時間が5時間アップしているので、スタミナ重視の方にも注目されています」

  • サムスン電子「Galaxy Buds+」

はみ出し情報…有線イヤホンの注目株は「HSE-A1000PN」

今回のランキングに入らないイヤホンの注目株として、東谷氏はHi-Unitの有線イヤホン「HSE-A1000PN」を挙げました。ロックバンド「凛として時雨」のドラマー・ピエール中野氏がチューニングしたモデルで、3月31日から税込み1,700円で売り出されています。同店系列の株式会社TMネットワークも開発に深く関わったモデルとなります。

「この価格帯ではありえないくらいの音質で、しかもケース付きにしました。スマホの付属品以外のイヤホンを初めて使う人に、ぜひ試してもらいたいですね」

  • Hi-Unit「HSE-A1000PN」

著者プロフィール
古田雄介

古田雄介

フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年~)や『売り場直送! トレンド便』(日経トレンディネット/2007~2019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『スマホの中身も「遺品」です』(中公新書ラクレ)、『ここが知りたい!デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。