スマホがハイスペックになるにつれ、不便を感じることは少なくなりました。でも、通常はひとつの画面でひとつの作業しかできない点は、どうしてもパソコンに軍配が上がります。たとえば、動画を見ながら調べ物したいとき、スマホのアプリを切り替えていては気が散ってしまいますよね。
Android 7からは、画面を分割して2つのアプリを表示できるマルチウインドウ機能が追加されており、最近は大画面の折りたたみスマホなど、マルチウインドウが使いやすい端末も増えました。
LGエレクトロニクスの「LG V60 ThinQ 5G」も、そんなスマホのひとつです。ディスプレイ付きのケースにスマホ本体を入れることで、2画面を実現しています。今回、NTTドコモから4月下旬に発売される「LG V60 ThinQ 5G L-51A」をお借りして、使い勝手をお伝えしましょう。なお、ソフトバンクでは「LG V60 ThinQ 5G」として、5月11日に発売されます(予約開始は4月23日から)。
ハイスペックで大容量バッテリー
LG V60 ThinQ 5G L-51A(以下、L-51A)は、約6.8インチ有機ELフルHD+(2,460×1,080ドット)ディスプレイのAndroid 10スマートフォン。同梱されるLGデュアルスクリーンも同様で、装着することで2画面スマホになります。
本体カラーはザ ブラックとクラッシーホワイトの2種類。クラッシーホワイトはオンラインショップ限定販売です。
本体サイズは高さ約170×幅約78×厚さ約9.2mmで、ケース装着時は高さ約177×幅87×厚さ15.0mmと大きめサイズのスマホです。重量は約218gですが、ケースを付けると約353g。片手で持っているとつらくなってくる重さなので、長時間使用するときは両手で持つ、または机などに置く使い方となるでしょう。
バッテリー容量は5,000mAhと大容量で、試用期間は外出を控えていたこともあり、数日は充電せずに使えました。Qi規格対応のワイヤレス充電にも対応しています。ケース装着時は独自の端子にマグネット式のアダプタを付けて、USB-Type-C端子にして充電します。
CPUは、Snapdragon 865(2.8GHz+1.8GHzのオクタコア)、内蔵メモリは8GB、ストレージは128GB、外部ストレージはmicroSDXC(最大512GB)です。防水性能はIPX5・IPX8、防塵性能はIP6Xなので、通常の生活で水がかかったり、ホコリにまみれても問題ない性能です。おサイフケータイにも対応し、ディスプレイに指紋認証を搭載しています。
通信速度(5G)は受信最大3.4Gbps・送信最大128Mbps。新型コロナウイルス対策で外出を控えているため、5Gを試用できなかったのは残念です。いずれ改めて5Gを体験したいと思っています。
2つの作業を同時にこなせるデュアルディスプレイ
スマホが2画面になると、2つの作業を同時に行うことができます。たとえば、SNSのチェック。TwitterとInstagramをそれぞれの画面で開いて投稿を読めます。また、オンラインショッピングでは、レビュー動画と記事を同時に見ると効率的です。ゲームをしながらYouTubeの攻略動画を見るのもいいですね。
Webサイトの情報をチェックするときは、「Whale」ブラウザアプリが便利。URLをタップしたら別画面で開くように設定しておくと、片方にはWebサイトのトップ、もう片方にはタップしたリンク先の記事が開きます。いちいちトップに戻らずに次の記事を読めるのは快適です。
「LGゲームパッド」機能を使うと、片方の画面全体にゲームパッドを表示して操作できます。ゲーム機のような操作性はゲーマーにとってはありがたいですね。また、2つの画面は、画面横に表示されているボタンから、いつでも入れ替えや移動ができます。
同時に使うことが多いアプリは、「マルチアプリ」機能を使うとタップだけで同時に起動できるようになります。私はInstagramに投稿するとき、写真加工アプリ「Foodie」を使うことが多いので、この2つをセット。スマホに保存した写真をFoodieで加工し、Instagramで投稿するという作業がとてもスムーズになりました。
アウトカメラは超広角、インカメラは自撮りにも最適
L-51Aは、アウトカメラに約6,400万画素(標準)と約1,300万画素(超広角・117度)に加えて、距離を測るToFカメラを搭載しています。ズームは10倍までです。インカメラは約1,000万画素で、ビューティモードで美肌や化粧のエフェクトをかけられます。
動画撮影は8K動画に対応し、4つのマイクを搭載。本体はハイレゾ再生(HiFi Quad DAC)にも対応する高音質で、動画とサウンドをリッチに楽しめるスペックです。
カメラには、タイムラプス、動画、写真、ポートレート、ステッカー、その他(マニュアルカメラやナイトビューなど)のメニューが用意されています。AIが対象物を判定して最適撮影する機能もあり、シャッターを押すだけでキレイな写真を撮れます。
「ギャラリー」ボタンをタップすると写真がもうひとつの画面に開くため、大きな画面で確認しながら撮影できるのもうれしいポイントです。
2画面を生かして、1画面を反射板(レフ板)にして撮影することも。反射板は光の当て方や色味を調整できるので、暗い室内でもキレイなセルフィーを撮れます。
レフ板機能がお気に入り
初めて持ったときは重いと感じたL-51Aですが、スマホを2台持つよりは軽量かもしれません。何より、2つの作業を同時にできることでムダな指の動きがいらず、気が散ることもないため、使えば使うほど効率が上がると感じました。
ヘビーな作業を長時間しても安心できるスペックなので、軽快に持ち歩くというよりは、スマホに慣れた人が腰を落ち着けてじっくり使う場面に向いています。友人と一緒に動画を見ながらチャットしたり、料理のレシピを動画サイトとブラウザで検索したり、自宅での時間が充実しそうなスマホです。普通の1画面スマホとしても使えるので、出かけたときに地図を見ながら店を検索といった場合は、ケースを外して1画面にするとフットワークがよくなります。
個人的には、自撮りのときにひとつの画面をレフ板として使える機能に魅力を感じました。若い女性のなかには、友人と自撮りをするときにもう1台のスマホでライトをオンにして、顔を明るく照らして撮影する人もいます。L-51Aなら1台でその役目が果たせるわけです。ビデオ会議でも使えるか確認したところ、レフ板機能は標準のカメラアプリのみでした。とはいえ、室内でも顔を明るく撮影できるのはうれしいですね。
L-51Aの販売価格(税込)は、ドコモオンラインショップで118,008円、スマホおかえしプログラム適用時で78,672円です。ソフトバンクでは139,680円となっています。