米国で人気トップの天気アプリ「Dark Sky Weather」を提供するDark SkyがAppleに加わった。AppleのApp StoreではすでにDark Sky WeatherのデベロッパーがAppleになっており、iOS版の提供は継続する。Android用アプリおよびWear OS用アプリはすでに提供が終了、それらの既存ユーザーは2020年7月1日まで利用できる。
Dark Skyは天気カテゴリーのアプリだが、天気予報アプリではなく自らを「天気レーダー」と呼んでいる。アプリでは1週間分の天気予測を提供しているが、Dark Skyが実力を発揮するのは現在、そして数分後や数時間後といった短時間の天気の変化の分析だ。例えば「8分後に雨が降り出す可能性あり、その状態が15分続き25分の晴れ間」といった分単位の予測を提供する。
1日のうちに雨が降る時間帯を予測する通常の天気予報と違って、Dark Skyの分単位の分析はその通りにならない可能性が高い。それまでの天気予報の常識では避けられていた「誤差と不確かさ」を含み持つ情報であり、その情報をどのように使うかはユーザー次第。不親切な天気アプリと言えるが、自分の周りの天気を把握できるアプリは瞬く間に話題を集めた。例えば「晴れそうだから30分だけ散歩したい」、そうした時に誤差があるとしてもDark Skyの天気分析は役立つ。グランドキャニオンのような高低差のある場所では狭い範囲でも天気や気温の違いが出る。そうした違いもDark Skyは伝えてくれる。GPSを備えたスマートフォンとハイパーローカルなDark Skyの天気分析の相性は良く、欧米でトップの天気アプリになった。
Dark Skyは、National Weather Service (米国立気象局)の140以上の気象ドップラーレーダーからのデータを処理して米国の気象分析を提供している。アプリではマップのアニメーションで気象変化を確認できるようにしており、気象データのビジュアル化でも評価されている。
アプリのほか、WebサイトとAPIを提供しており、Webサイトの天気予報や地図、埋め込みコードの提供も2020年7月1日まで。APIに関しては新規の受け付けを終了し、サービスは2021年末までは提供し続ける。AppleがDark Skyを取得した狙いは不明だが、アプリ以上にAPIと関連するデータ処理オペレーションが同社にとって価値があると見られている。