富士通は3月27日、商用のローカル5Gの無線局(基地局及び陸上移動局)免許を総務省関東総合通信局から取得し、川崎市の富士通新川崎テクノロジースクエアにおいてローカル5Gシステムの運用を開始すると発表した。同社によると、商用ローカル5Gの運用開始は国内初だという。。

  • ローカル5Gシステムの概要

まずは、同拠点内において多地点カメラで収集した高精細映像のデータ伝送にローカル5Gを使用し、AI(人工知能)による人の多様な動作解析によって不審行動などを早期に検知するセキュリティシステムを実現し、建物内の防犯対策を強化するという。

また、ユーザー企業やパートナー企業とのローカル5Gの実証の場である「FUJITSU コラボレーションラボ」において、業務革新や地域課題の解決に向けたローカル5Gの多様なユースケースを創出し具現化させると共に、ユーザー企業の現場への導入支援なども行うとしている。

さらに今後、スマートファクトリーの実現に向けて、同社のネットワーク機器の製造拠点である栃木県小山市の小山工場においてもローカル5Gの免許を取得し、同工場でネットワーク機器の製造を手がける富士通テレコムネットワークスと共同でローカル5Gの有用性を検証していく。

  • ローカル5Gシステムのアンテナと基地局

今回運用開始したローカル5Gシステムの構成は5G-NSA(Non-Stand Alone)であり、データ伝送に5G、基地局と陸上移動局との接続制御にLTEの電波を利用する。カバーエリアは、富士通新川崎テクノロジースクエア敷地内の約2万8000平方メートル。