2019年のデジカメ出荷台数は前年比で2割を超える下落となったが、10代の若年層が購入したい機器の1位にデジカメを挙げるなど、好転の兆しも見える――。カメラ映像機器工業会(CIPA)が、デジカメ出荷台数の最新データを発表しました。
2019年のデジカメ全体の出荷台数(全世界)は1522万台で、前年比で78.3%の水準にとどまりました。レンズ一体型カメラやレンズ交換式カメラ、交換レンズの各ジャンルとも、前年比で78~79%の水準となっており、デジカメ全体で市場の縮小が続いていることが分かります。日本市場に限ったデータでも、ほぼ同等の水準で縮小しています。
ちなみに、レンズ交換式カメラのジャンルでは、一眼レフカメラが対前年で68%にとどまったのに対し、ミラーレスは95.6%と縮小の幅を最小限に抑えています。2019年は、各社がフルサイズミラーレスの新製品を精力的に投入したことが要因と考えられます。
2020年は一眼レフと新趣向カメラに注目
2020年の出荷見通しは、デジカメ全体とレンズ一体型カメラが74~76%とさらに低い水準になると見込んでいるのに対し、レンズ交換式カメラと交換レンズは81~84%と高めに据え置きました。
レンズ交換式カメラは、久々に一眼レフが大きく伸びる可能性があります。1月にニコンがミラーレスの技術を意欲的に盛り込んでライブビューや動画機能を強化したフルサイズ一眼レフ「D780」を発表し、既存の一眼レフユーザーを中心に支持されました。また、各社の一眼レフは入門者向け、中級者向けともに登場から時間が経っている機種が多く、D780のようにライブビューや動画機能を強化して続々とモデルチェンジする可能性があります。
さらに注目なのが、若年層の動きです。CIPAが、ふだんスマホでしか写真を撮らない人を対象に実施した調査では、「1年以内に購入したい機器」という設問において、10代の若年層がデジタルカメラを1位に挙げたそう。
若年層向けのカメラは、キヤノンがカラビナ型カメラ「アソビカメラ iNSPiC REC」を2019年12月に一般販売を開始したほか、超望遠モデルなど新趣向の製品の開発を進めており、今月末のカメラ展示会「CP+」でも新製品を展示する可能性があります。若年層向けの小型フォトプリンターがヒットしていることもあり、カメラも若年層向けの新趣向モデルが注目を集めるかもしれません。
今年のCP+は、2月27日(木)~3月1日(日)の4日間行われます。事前登録をすれば無料で入場できます。