90社を超すカメラメーカーやアクセサリーメーカーなどが出展し、さまざまな新アイテムが登場したCP+2019。今回、会場をひととおり見て回り、特に印象に残ったアイテム3つを挙げてみたいと思います。
Lightroomを内蔵したツァイスの圧巻コンパクト
まず1つ目が、カールツァイスのブースに展示されていたコンパクトデジタルカメラ「ZEISS ZX1」。3740万画素のフルサイズイメージセンサーを搭載するレンズ一体型モデルで、レンズはツァイスの「Distagon T* 35mm F2」を搭載。写りのスゴさは容易に想像がつきます。
このカメラの魅力はそれだけではありません。カメラ内に「Adobe Lightroom CC」を内蔵しており、4.3インチの大きなタッチパネル液晶を活用した編集作業ができるのです。編集した画像は、Wi-Fi経由でSNSなどに直接アップロードすることも可能。メモリーカードスロットはなく、代わりに512GBの大容量SSDを内蔵しているのも特徴です。国産のカメラにはないエキゾチックなデザインのボディシェイプも、一度見ると忘れられない美しさです。
個性が光るタムロンの交換レンズ
2つ目が、タムロンの一眼レフ用交換レンズ「SP35mm F/1.4 Di USD(Model F045)」です。今回はガラスケースに入っていて試すことはできませんでしたが、写真家による作品が展示されていて描写がチェックできました。
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タムロンの「SP35mmF/1.4 Di USD」(Model F045)の全容。巨大な鏡筒は、メーカー純正品やシグマなどのライバルに負けていません。キヤノンEFマウント用とニコンFマウント用が発売される予定
担当者によると、周辺部まで点像の再現性が高いうえ、かつてないほどの高解像感が得られるといいます。さらに、柔らかく美しいボケの表現も目指したそう。発売は今年の中ごろを予定しているとのことです。いよいよ同社も大口径の単焦点レンズを展開していくことになり、メーカー純正レンズや人気のシグマ製レンズとの勝負が楽しみになってきました。
同時に発表した「35-150mm F/2.8-4 Di VC OSD(Model A043)」も注目です。ポートレート撮影を意識したズームレンジにしたということで、これまでにない使い勝手が魅力のレンズとなりそうです。
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こちらは、ポートレートレンズと位置づける「35-150mm F/2.8-4 Di VC OSD」(Model A043)。キヤノンEFマウントとニコンFマウント用を予定
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ミラーレス用では、ソニーEマウント用の「17-28mm F/2.8 Di III RXD」(Model A046)も発表されました。コンパクトに仕上がった超広角ズームレンズです
キヤノンの新趣向カメラ、業界も注目
最後が、キヤノンのコンセプトモデルです。アウトドアでの手軽な使用を前提とした「Outdoor Activity Camera」、スマホでは撮れない画角をカバーする望遠レンズモデル「Multifunction Telephoto Camera」、被写体を補足し続けて取り逃がしを防止する「Intelligent Compact Camera」、親子で楽しく使える子ども向けカメラ「Kids Mission Camera」など展示していました。
それぞれ明確なコンセプトを持ち、徹底して割り切った作りのカメラは、これまでの概念を変えるものばかり。これまでカメラを所有したことのない人が興味を持って購入すれば、カメラ業界の活性化が期待できます。キヤノンに限らず、業界全体に変化や刺激を与えそうなカメラといえます。
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キヤノンの「Outdoor Activity Camera」。穴の空いた部分をファインダーのように使って画角を確認するだけでなく、カラビナ代わりにしてバッグなどに固定できます。着せ替え用のジャケットが用意され、外装をカスタマイズできるそうです
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スマホではカバーできない望遠域の撮影に特化した「Multifunction Telephoto Camera」。画角は35mm判換算で約100mmと約400mmとのこと。もちろん、スマホとの通信機能も搭載しています
クリーニング&メンテナンスサービスも注目
番外編として、イメージセンサーやレンズなどのクリーニングサービスをブースの一角で行っていたメーカーが多かったのも、印象に残ったサービスとして紹介したいと思います。私が確認したところでは、ソニー、キヤノン、富士フィルムなどのメーカーがコーナーを設置。ソニーはイメージセンサーのクリーニングを、それ以外はカメラやレンズのクリーニングや簡単な点検を実施していました。どのメーカーも自社製品が対象ですが、いずれも無料でサービスが受けられるのが魅力。来年に向けて、ぜひ覚えておきましょう。