前回の「カシオ『OCEANUS』、宇宙兄弟コラボの限定モデルが人気」に引き続き、今回はスマートウォッチの売れ筋をヨドバシカメラ マルチメディアAkibaに取材しました。
時計・スポーツチームの加島琢洋グループリーダーは、ここ1年でスマートウォッチの市場が世界的に見て急成長した、と振り返ります。「運動や健康の意識の高まりから、エクササイズ用や健康管理用の機能が充実したバリエーションが本当に豊富になりました。スマホと連係したいという従来の層だけでなく、年配層を含む新たな層にもリーチしていると感じます」とのこと。
スマートウォッチを選ぶ3つのコツは以下のとおりです。
- 価格帯は1万円以下から10万円超えまで幅広い。基本的なライフログ機能や精度は低価格帯でも十分実用レベルにある。
- 普通の腕時計と比べると充電の手間がある。計測項目だけでなく、バッテリー駆動時間もしっかり見比べて選びたい。
- 乗り換える際、ブランドが異なると引き継げない項目が複数出ることも。先々のデータ活用もイメージして導入しよう。
それを踏まえて、最新の売れ筋トップ5を見ていきましょう。なお、今回の統計には売り場が異なるアップルの「Apple Watch」は入っていません。「スマートウォッチ市場をけん引するブランドなので、合同にしたら複数のモデルがトップ5入りするかもしれません」とのことですが、ご了承ください。
※本文と写真で掲載している価格は、2019年12月9日13:30時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
第1位:直差し充電できるエントリー機「HUAWEI Band 4」
一番人気となっていたのは、ファーウェイの「HUAWEI Band 4」です。2019年11月に登場したばかりの製品で、カラーバリエーションによっては一時的に品切れが発生するほどの勢いで売れているそうです。税込み5,280円という買いやすい価格に加えて、もうひとつ強力な決め手があるとのこと。
「本体にUSBポートが付いているので、バンドを外せばダイレクトに充電できます。フル機能が7日間使える仕様のうえ、充電が手軽ということで、習慣化しやすいのが強みですね。すごい勢いで、早くも入門機のスタンダード的な売れ方をしています」
第2位:ランニング好きに指名買いされる「ForeAthlete245 Music」
2位以下はぐっと価格帯が上がり、ユニークな特徴を備えたハイスペックモデルが並びました。
2位は、ガーミンの「ForeAthlete245 Music」で、税込み価格は4万3780円。スマホを介さずに音楽配信アプリに対応し、本体に約500曲保存できるのが最大の特徴です。通常使用ならフル充電で7日間、音楽再生とGPS機能を併用しても最大6時間駆動するので、音楽を聴きながらランニングする人に多くのファンがいるそうです。
「Bluetooth接続でワイヤレスイヤホンとつながるので、かなり手ぶらに近いかたちで楽しめます。エクササイズ需要のなかでもランニングが好きな方はかなり多く、この価格帯ながら爆発的な売れ方をしていますね」
第3位:スーツにも私服にもあわせやすい「Galaxy Watch」
3位は、サムスン電子の「Galaxy Watch」が入りました。GPSや気圧計を搭載し、50mの防水性を備えるなど、アウトドアで重宝する機能が充実する一方で、文字盤のデザインを多彩に変えられるところを気に入って購入する人も多いモデルといいます。税込み価格は4万1580円。
「スマートウォッチは四六時中装着するものなので、仕事中も趣味の時間もともにすることになります。シーンにあわせてデザインが変更できるので、メインの時計として使っても浮かない柔軟なデザイン性はとても重宝されていますね」
第4位:本格アウトドア派も御用達の高級機「fenix 6X Sapphire Black DLC」
4位には、ガーミンの「fenix 6X Sapphire Black DLC」がランクインしました。税込み価格は12万1000円。スマートウォッチのなかでもハイエンドクラスの製品ですが、登山やトレイルランニング、水泳や自転車、ゴルフなどで本格的に活用したいというコアなユーザーに指名買いされることが多いとのこと。
通常使用で最大21日間、GPSと光学心拍計を有効にすると最大60時間、さらに音楽再生しても最大16時間駆動するスタミナを備えるほか、サファイアガラスの採用で頑丈さも特徴となっています。
「あらゆる機能を盛り込んだ機種ですが、さらにマップ表示までできるところが一番の特徴といえます。マップが見たいからこのモデルを選ぶという方は多いですね」
第5位:普通の時計と組み合わせられる「wena wrist pro」
5位のソニー「wena wrist pro」は、バンド側にスマートウォッチ機能を搭載しており、FeliCaによる電子マネー決済にも対応する特殊なモデルです。税込み価格は3万4240円。その個性から、普段使っている腕時計と組み合わせて使いたいという人に選ばれることが多いとのこと。
「先日は、ロレックスのバンドをwena wrist proに付け替えて使いたいという方がいらっしゃいました。それも問題なくこなせるくらい、使い方の自由度が高いんですよね。手首まわりはこれまでに近いままでライフログ機能などを追加したい、という方にはうってつけだと思います」
はみ出し情報…プロ野球ファンに馴染む「funband」と音楽好きに選ばれる「EarBand V08S/J」
ランキング外ながら、ニッチな需要があるモデルも2つ挙げてもらいました。
ひとつは、シャープの「funband」。プロ野球の各球団専用モデル(埼玉西武ライオンズ除く)がラインアップされていて、ひと通りのスマートウォッチ機能に加えて球団の試合速報などが流れる仕組みになっています。税込み価格は6,480円。
もうひとつは、CAVOSMARTの「EarBand V08S/J」。本体をバンドから外すと、ハンズフリー通話が可能なヘッドセットイヤホンとなります。右耳用のみとなりますが、通話や音楽を楽しんだり音声アシスタントで指示を出したりできます。税込み価格は1万6500円。
「身につけていかに便利に使えるかということで、さまざまな解釈が形になっている段階なので、ちょっと変わったモノが欲しいという人には楽しい売り場になっているんじゃないかと思います」