令和最初のお正月休みは、いつもより長い9連休を満喫できる人が多いようです。海外などに長期でお出かけする用事のない方は自宅で動画三昧、優雅な時間を過ごしましょう。Amazonのメディアプレーヤー「Fire TV」シリーズとスマートスピーカーを組み合わせて、手軽に始められるホームシアターの楽しみ方をご紹介します。

  • Fire TV Cube

    Amazonの4K対応メディアプレーヤー「Fire TV Cube」(第2世代、右)。左はHDMIスティック型の「Fire TV Stick 4K」です。それぞれに特徴を持つ多機能メディアプレーヤーです

  • Fire TV Cube、Echo Studio

    Fire TV Cube(左から2番目)と2台のEcho Studio(左右)によるホームシアターシステム

多彩なAmazon Fire TVシリーズ、どれを選ぶ?

Fire TVシリーズはAmazon独自のFire OSを搭載するHDMI接続のメディアプレーヤーです。価格が1万円を切る人気のスティック型端末「Fire TV Stick」シリーズに加えて、2019年11月にはコンパクトなボックス型で税込14,980円の上位機「Fire TV Cube(第2世代)」(以下、Fire TV Cube)が仲間入りしました。

  • Fire TV Cube

    Fire TV Cube。Alexaを搭載し、8つの内蔵マイクアレイで人が発した音声コマンドを素早く正確に認識します

既存のFire TV Stickは薄型テレビのHDMI端子に挿し、USBで給電するだけで使えるので設置性に優れています。HDMI端子を備えたコンパクトなポータブルプロジェクターに直接挿せば、「Alexa搭載プロジェクター」のような使い方ができます。

Fire TV Stickシリーズは4K出力に対応する「Fire TV Stick 4K」(税込6,980円)と、最大フルHD出力に対応する「Fire TV Stick(第3世代)」(税込4,980円)が販売中。どちらも音声操作アシスタントのAlexaを搭載し、付属のリモコンでAlexaを介して音声操作ができます。Fire TV Stickシリーズは手頃な価格帯でお買い得であることは間違いありませんが、上位モデルであるFire TV Cubeを選ぶことのメリットも数多くあります。

Fire TV Cubeの良さのひとつは、本体にAlexaと8つのマイクによるアレイユニットが内蔵されているので、リモコンを使わずに音声によるハンズフリー操作が快適にできることです。Fire TV StickはAlexaを呼び出すためにリモコンが不可欠です。一方、Fire TV Cubeはテレビ横に置いてコンテンツの音声が再生されている場面でも正確な応答を返してくれるマイクを内蔵しています。ヘキサコア構成のパワフルなプロセッサが内蔵されているのでレスポンスも俊敏です。

HDMIケーブルで接続したテレビの画面とスピーカーを使ってAmazon MusicやSpotifyの音楽ストリーミング再生も楽しめます。スマートスピーカーをまだ持っていないという方は、動画と音楽サービスが一緒に楽しめるFire TV Cubeから門をたたくのも良いでしょう。Alexaに天気やニュースを聞いたり、宅内に設置したスマートホーム機器を音声でコントロールすることもEchoシリーズと同様に可能です。

  • Fire TV Cube

    Fire TV Cubeに今日の天気を聞くと、テレビの画面にも情報が表示されます

Fire TV Cubeは宅内のネットワークにつながるオーディオ・ビジュアル機器との連携性能も優れています。付属の赤外線(IR)延長ケーブルを本体に接続すると、サウンドバーとAVアンプの電源オン・オフ、音量コントロールといった操作がAlexaを介して音声で行えます。

HDMIからの出力は4K/60p対応。HDRの方式はHDR10/HDR10+のほか、HLGやDolby Visionもカバーしているので、この先しばらくは色あせない魅力を楽しみ尽くせるでしょう。Alexaを搭載するデバイスなので、AIアシスタントに関連する新機能もソフトウェアのアップデートによっていち早く試せそうです。

  • Fire TV Cube

    Fire TV Cubeに有線接続する赤外線(IR)延長ケーブル(左)。サウンドバーやAVアンプを操作できます

Prime Video / Netflix / YouTubeなど、多彩な動画配信が見られる

Fire TVシリーズでは定額制動画配信サービス「Amazon Prime Video」が楽しめますが、それだけではありません。強力なオリジナルコンテンツのラインナップもそろうNetflixや、日本のドラマ・アニメが充実するdTVにU-NEXT、Hulu、そして無料のインターネットテレビAbemaTVや、民放テレビ番組の見逃し視聴が楽しめるTVerが手軽に見られるアプリもそろっています。Amazon Prime VideoやNetflixには映画やドラマを中心に4K画質のコンテンツが充実しています。他にも、YouTubeが2019年7月からFire TV用アプリで見られるようになりました。

  • Fire TV Cube

    Amazon Prime Videoなど様々な動画配信のほか、音楽配信サービスなども楽しめます

高精細な映像が見られる大画面テレビの次は、迫力たっぷりのサウンドにもこだわりたいところ。Fire TV CubeやFire TV Stickシリーズに、Amazonのスマートスピーカー Echoシリーズを組み合わせてWi-Fi経由で連携すると、Echoシリーズをオーディオの出力先にできます。ペアリングの方法はとても手軽なので、Fire TV・Echoシリーズのユーザーにはとてもおすすめです。

Amazonは2019年12月に、Echoシリーズのフラグシップモデル「Echo Studio」を発売しました。音楽ストリーミングサービス「Amazon Music HD」で配信されている、ソニーの360 Reality Audioの技術をベースにした「3Dミュージック」や、立体音響「Dolby Atmos」に対応した3Dオーディオが単体で楽しめる、高音質・高機能なスマートスピーカーです。発売直後に売り切れ、その後も品薄状態が続いていますが、予約購入は可能です。

今回はEcho StudioをFire TV Cubeにペアリングして、迫力のサウンドを体験してみました。

  • Echo Studio

    Echoシリーズの最上位モデル「Echo Studio」。Amazon Music HDのハイレゾ配信もサポートしています

  • Amazon Music

    Amazon Music HDの音楽配信サービスに加わった3Dミュージック。Echo Studioが1台あれば立体感あふれる音楽コンテンツを聴くことができます

Alexaアプリで、Fire TV CubeとEcho Studioをサクッと連携

Fire TV CubeとEcho Studioのペアリングは、Amazon Alexaのモバイルアプリで行います。

手順はまず、画面下のメニューから「デバイス」を選び、右上の「+」をタップします。画面の下にポップアップするメニューリストから「オーディオシステムをセットアップ」を選択。画面に表示される「ホームシアター」を続けてタップしていきます。

  • Echo Studio

    「デバイス」ページ右上の「+」アイコンをタップすると画面の下に表示される、「オーディオシステムをセットアップ」というメニューを選びます

あとは順に接続するFire TV CubeとEcho Studioをリストからピックアップして、ひとつのホームシアターシステムとしてグルーピング、任意の部屋に登録すればセットアップ完了です。

  • Echo Studio

    ホームシアターのセットアップを選択すると宅内にあるFire TV Cubeが選べるようになります

  • Echo Studio

    続いて先にホームネットワークに接続を完了しているEcho Studioを選びます

  • Echo Studio

    ホームシアターシステムに名前を付けると(左)、デバイスのページに新しいホームシアターの名前が登録されます(右)

Amazon Music HDのサービスから3D R&B Classicsのプレイリストに並ぶマーヴィン・ゲイの『What's Going On』を聴いてみます。Fire TV Cubeを介しているので、テレビの画面にはアルバムのカバーアートも表示されてシアター気分がぐんと高まります。

  • Echo Studio

    新しいホームシアターシステムはAmazon Musicアプリからストリーミング先として選択できるようになります

サウンドはテレビの内蔵スピーカーで聴く場合とケタ違いに音像が立体的で、特に低音が太く滑らか。名盤のグルーヴ感をわが家のリビングルームにも見事に再現してくれました。さすが“キング・オブ・エコーシリーズ”です。3Dミュージックらしい包みこまれるような音の広がり感もスピーカー1台で描き出します。

映画はNetflixで公開されている『ROMA/ローマ』を再生し、物語後半に控える海辺のシーンでドルビーアトモス再生の実力を確かめてみました。打ち寄せる波音の重低音が腹の底まで響いてきます。そして天井から冷たい飛沫が降ってくるようなリアリティ。空間を埋め尽くすサウンドの情報量がとても充実しています。劇中の世界に引きずり込まれてしまうような迫力は手に汗を握ってしまうほど。ささやきかけてくるような登場人物のセリフも、Echo Studioで再生すれば小音量でも声の輪郭を鮮明に捉えることができて、テレビの内蔵スピーカーよりも格段に聴きやすくなります。

  • Echo Studio

    Fire TV Cubeと2台のEcho StudioでNetflix作品『ROMA/ローマ』を鑑賞。迫力あるDolby Atmosのサウンドを4K/HDR映画と一緒に楽しめました

Echo Studio 2台で、贅沢なステレオペア再生を試す

Echo Studioはとてもパワフルなスピーカーなので、12畳前後の広さのリビングルームであれば部屋いっぱいに密度の濃い音が満たせます。でもやはりテレビの画面のどちらか片側に寄せて置くと、音の聴こえ方のバランスが偏ってしまいます。Fire TV Cubeでより本格的なホームシアターを追求するのであれば、Echo Studioを“ダブル”で用意して、ステレオペアにしてFire TV Cubeとシステムを組み、テレビの左右に配置するセッティングが理想的です。

  • Echo Studio

    Echo Studioを2台そろえれば、ステレオペアでの音楽リスニングが楽しめます

  • Echo Studio

    Fire TV Cubeと2台のEcho Studioをペアにして、Amazon Music HDのコンテンツを再生しているところ

ペアシステムの設定方法をご紹介しましょう。Amazon Alexaアプリから再びデバイスのセットアップ画面のトップに移り、画面の下に並ぶ、先ほど作ったホームシアターシステムを選択します。続いて後から追加したEcho Studioを選択して、それぞれのスピーカーに左右チャンネルを割り当てます。Fire TV Cubeとひとつのホームシアターとしてセットにできるデバイスは、最大2台のスピーカー、またはステレオペアとサブウーファーです。

  • Echo Studio

    Echo StudioのペアをFire TV Cubeとつなぐ手順も、基本はAlexaアプリのデバイスページからスタート。2台のEcho Studioを選んでペアリングします

  • Echo Studio

    Echo StudioのペアをFire TV Cubeとつなぐ手順も、基本はAlexaアプリのデバイスページからスタートします。2台のEcho Studioを選びます

ステレオペアにしたEcho Studioで聴く音楽は立体感がまた一段と冴え渡っていました。オーケストラの演奏は小さな音の粒立ちが活き活きとしています。音量を変えながらコンテンツを再生してみても音像の定位にブレや狂いが生まれず、とても安定しています。

昼間は働いているため、ゆっくりと映画を見たり、音楽を聴く時間はどうしても夜間になりがちという方は、ペアリングした2台のEcho Studioでボリュームを絞って再生した方が、小音量でもシャープで聞こえやすいサウンドが楽しめるかもしれません。デバイスの「オーディオ設定」の中にあるイコライザー機能も併用すると、夜間再生時には低音の量感だけを下げることもできるのでとても効果的です。

Echo Studioはハイパワーなスピーカーなので本体のサイズもそれなりにあります。できれば本格的なオーディオ用アクセサリーとして販売されているスピーカースタンドに設置して使った方が真の実力が引き出せると思います。

  • Echo Studio

    AlexaアプリからEcho Studioの「オーディオの設定」を選ぶと、イコライザーやステレオ音源の立体強調の機能メニューが選択できます

PCモニターと合わせてプライベートシアターを作ろう

Echo Studioを2台そろえると予算は約5万円。ドルビーアトモス対応の最新サウンドバーの中にはこれよりも安価な選択肢はありますが、ハイレゾや3Dミュージックの音源が楽しめて、さらに最先端のAlexa搭載スマートスピーカーであることを考えればEcho Studioのコストパフォーマンスは悪くないと思います。ホームシアター再生に使わない時には、宅内の別々の部屋に置いて楽しむのも良いと思います。

インターネット接続機能やスマートOSを搭載していないPC用モニターや古い液晶テレビでも、Fire TVシリーズを接続できるHDMI端子さえあれば、動画配信サービスの多彩な映像コンテンツが楽しめます。リビングのテレビは4Kチューナー搭載の新しいものに買い換えたけれど、今まで使っていたテレビを捨てずに持て余している……という方はぜひ、Fire TV Cubeを中心とした最新の動画配信コンテンツが楽しめるホームシアター環境をプライベートルームに増築してみてください。2020年はきっと楽しいオーディオビジュアルライフが過ごせることでしょう。