• BASELWORLD 2019、ジンのブース

ダイバーズ・クロノグラフ シリーズ206

1995年に登場した「シリーズ203」がスペックアップされ、「シリーズ206」として新登場。203はもともと日本での人気が高く、もう一度作ってほしいとの声が多かったという。当時はブラックダイヤルで、SS(ステンレス・スチール)ケースとチタンケースのモデルが存在。今ではジンダイバーズの標準装備といえる、「Arドライテクノロジー」(乾燥剤カプセルやプロテクトガス、高性能パッキンなどにより、ケース内の湿度を最適に保つ技術)を初めて搭載したモデルだ。

  • ダイバーズ・クロノグラフ シリーズ206

    シリーズ206.ST.AR(型押しカウレザーストラップ仕様)

  • ダイバーズ・クロノグラフ シリーズ206

    シリーズ206.ST.ARのサイズ感

そして1999年には、ジンが「アークティス」と呼ぶブルーのダイヤルが追加された。アークティスとは「北極圏」の意味で、ジンが誇る特殊オイルを新たに採用。このオイルは、低温でも凝固せず高温でも蒸発しないという、ジン独自の超高性能オイル「66-228」だ。摂氏-45℃~80℃でも動作する。

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    シリーズ206アークティスII

今回はその歴史にならい、ブラックとブルー両方のダイヤルをラインナップ。シリーズ203のケース径は41mmだったが、206では43mmとなった。なお、ブラックダイヤルの「シリーズ206.ST.AR」はArドライテクノロジーのみ、ブルーダイヤルの「シリーズ206アークティスII」ではArドライテクノロジーに加えて、前述の超高性能特殊オイルを採用、極寒対応仕様となっている。

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    3時位置の「ARKTIS」の文字が極寒対応を示す

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    シリーズ206アークティスIIのサイズ感

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    ミラー処理されたボタン類とヘアラインのラグのコンビが美しい

ケース素材はSS。防水性能は30気圧。シリーズ203ではねじ込み式だったりゅうずは、操作性を考慮して非ねじ込み式に変更。その対策としてD3システム(中をチューブレスにして、パッキンの摩耗やパーツ隙間の浸水を防ぐ)を採用し、両機種とも水中でのクロノグラフ操作が可能(!)となっている。また、203との相違点として「DNV-GL」(欧州潜水器具規格。船舶や海洋道具の認証をする機関)の認証を受けている。

ダイバーズウォッチのケースバックは金属であることが多い中、シリーズ206はシースルーバックなのもユニークだ。これはジンでは初の試みで「ダイバーズでもシースルーバックにしてほしい」というユーザーの声に応えたもの。

ちなみに、極寒仕様のみ、バックから見えるローターにスノーフレークと「-45」という刻印がある。せっかく裏がシースルーなのだから、何か見えることを意識しようという遊び心だとか。

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    シリーズ206は本格ダイバーズでありながらシースルーバック仕様

回転ベゼルの取り付け方法もアップデートされた。特殊結合方式(ビス留め)なので、落下や衝突の衝撃で外れてしまうことがない。4カ所がビス留めされているが、ひとつは位置決め用。実際に留めているのは3カ所となる。

ムーブメントは自動巻きのエタ社「バルジュ7750」。風防は裏表ともサファイアガラス。

206.ST.ARの価格(税別)は、SS製の3連ブレスレット仕様が56万円、シリコンストラップ仕様が55万5,000円、型押しカウレザーストラップ仕様が54万円、カウレザーストラップ仕様が53万円。

206アークティスIIの価格(税別)は、SS製の3連ブレスレット仕様が59万円、シリコンストラップ仕様が58万5,000円、型押しカウレザーストラップ仕様が57万円。