ファイナンシャルウォッチ シリーズ6012

ジンの金融業界向け時計、フランクフルトファイナンシャルウォッチが20周年を迎えた。1999年に発売された最初のモデルは、3カ国の時刻を表示可能なクロノグラフ「シリーズ6000」。当時のジンはアビエーションやダイバーズなどスポーツモデル系のイメージが強く、ビジネスウォッチの発売は大きなチャレンジだったという(果たして出していいのかと、社内でも葛藤があったらしい)。

そんな心配をよそに、シリーズは大成功。ニューヨーク、フランクフルト、東京の3カ国の時刻表示を筆頭に、52週の表示や、クロノグラフのない2カ国表示のもの、2カ国目の表示がインダイヤルになっているなど、20種類近いモデルが発売される人気のラインとなった。

  • ジンのファイナンシャルウォッチ シリーズ

    ブース側面では、ジンのファイナンシャルウォッチの歴史がディスプレイされていた

そのファイナンシャルウォッチ20周年のアニバーサリーモデル「シリーズ6012」が登場。ムーブメントには、エタ社の「バルジュ7751」をジンが改良した自動巻きキャリバー「SZ06」を初めて搭載。クロノグラフの30分積算計が60分になり、針が1時間で1周するので使いやすさと読み取りやすさが向上した。

ほかにもフルカレンダーやポインターデイト、12時位置のデイデイト、6時位置のムーンフェイズ表示を搭載。ムーフェイズは白蝶貝でキラリと輝き、小サイズながらも目を引くチャームポイントだ。

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    ジンの新作ファイナンシャルウォッチ

  • ファイナンシャルウォッチ シリーズ6012

    シリーズ6012のSSケースレギュラーモデル(左)と18Kローズゴールドケース(6012.RG.JUB)

18Kローズゴールドケース(6012.RG.JUB)とSSケースの2モデルをラインナップする。機能と性能はほぼ同じだが、ローズゴールドケースのモデルのみ「ディアパル」というジンの技術が搭載されている。

ディアパルとは「ダイヤインザパレット」の略で、素材の組み合わせを工夫することで部品同士が摩擦を起こさないようにするもの。これにより、脱進機のオイルフリー化を実現した。ツメ石にダイヤモンドを使ったことからこの名が付いたが、現在は研究が進み、そのほかの素材も使われている。ディアパル搭載モデルは高級機であり、保証期間も5年と長い。

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    シリーズ6012の18Kローズゴールドケース(6012.RG.JUB)

  • ファイナンシャルウォッチ シリーズ6012

    シリーズ6012のSSケースレギュラーモデル

ケース外径は41.5mmで、ケースバックはシースルー。ローターにはフランクフルトの風景イラストが刻印されている。ガラス素材はケース表裏ともサファイアクリスタル(風防のみ両面無反射コーティング)で、10気圧防水。

  • ファイナンシャルウォッチ シリーズ6012

    SSケースレギュラーモデルのサイズ感

18Kローズゴールドケースは世界限定50本で、ブラックアリゲーターストラップと、別途ブラウンアリゲーターストラップが付属する。価格(税別)は260万円。

SSケースはレギュラーモデル。本来はSSの5連ブレスレットが装着され、写真のカーフストラップが別途付属する。価格(税別)は78万円。

ファイナンシャルウォッチ シリーズ6099B

ファイナンシャルウォッチから、限定モデルをもう一本ご紹介しよう。「シリーズ6099B」だ。

  • ファイナンシャルウォッチ シリーズ6099B

    シリーズ6099B

ファイナンシャルウォッチのファーストモデルである、シリーズ6000のケース径を38.5mmから41.5mmにした「シリーズ6099」。そのダイヤルをサンバーンのブルーにした「シリーズ6099B」だ。

近年、ジンでもブルーダイヤルは人気色でラインナップも増えつつあるという。BASELWORLD 2019に先駆けてミュンヘン(ドイツ)で開催された見本市「インフォルゲンタ」でジンは、BASELWORLD 2019出品作を来場者にだけ見せたらしいのだが、本作を含め、ブルーダイヤルのモデルは非常に好評だったという。

  • ファイナンシャルウォッチ シリーズ6099B

    シリーズ6099Bのサイズ感

ムーブメントは、シリーズ6099同様のセリタ社製自動巻き「SW500」。そのほかの仕様もベースモデルに準じる。SSの5連ブレスレットが装着され、カーフストラップが別途付属。価格(税別)は68万円、世界限定200本。