米Appleは11月20日 (現地時間)、設計・デザインを刷新した新「Mac Pro」の生産を、米テキサス州オースティンにある製造施設で開始したことを明らかにした。12月に出荷を開始する予定。また、同施設のすぐ近くで2022年のオープンを予定している新キャンパスの建設に着手したことを発表した。

同社は2017年に完全新設計のMac Proの開発を発表、今年6月に開発者カンファレンスWWDC 2019で製品発表を行って年内の発売を予告していた。新Mac Proは最大構成で28コア/56スレッドのIntel Xeon W (2.5GHz)を搭載可能。メモリは12スロットで最大1.5TBまで搭載できる。グラフィックスに独自のMPX (Mac Pro eXpansion)モジュールを採用。8つの拡張スロット (PCI Express)を装備する。プロユーザーのニーズを満たす性能、モジュラーシステムによる優れた内部拡張性を備えたワークステーションだ。価格は5,999ドルから。

  • 新Mac Pro

    新「Mac Pro」は12月に出荷開始

AppleはMac Proを米国で製造してきたが、高度な製造工程を要する新Mac Proの製造を米国外に移す可能性が一時報じられていた。新世代のMac Proも引き続き米国で組み立てられることは、米製造産業の復興をAppleがサポートしてきた成果と言える。新Mac Proの製造施設は24万4,000平方フィート、500人以上が働いている。

  • 新Mac Proの製造開始

    新「Mac Pro」を組み立てるテキサス州オースティンの製造施設

Appleはテキサス州オースティンにおいて過去5年間で雇用を50%拡大、現在同市の拠点の従業員数は約7,000人。その拠点から1マイル弱の距離に、約10億ドルを投じてオースティン・キャンパスを設ける。総面積は133エーカーで、シリコンバレーのキャンパスに次ぐ規模になる。Apple Park同様に自然を活かし、敷地の60%以上は緑地設計。100%再生可能エネルギーで稼働するキャンパスになる。エンジニアリング、R&D、オペレーション、金融、セールス、顧客サポートなど多岐にわたる事業部門が入る予定で、新キャンパス開設時に5,000人が働き、将来的には15,000人まで拡大する計画だ。企業として、オースティンで最大の雇用者になる。

  • オースティン新キャンパスの完成予想図

    米テキサス州オースティンに、2022年にオープンする予定の新キャンパス