ソニーは、ミラーレスカメラ「α9 II」(ILCE-9M2)を11月1日に発売する。価格はオープンで、ボディ単体の店頭価格は税別55万円前後を見込む。プロのスポーツカメラマンやフォトジャーナリスト向けに、接続性を強化してワークフローを改善したモデル。10月9日10時より予約販売受付を開始する。
既報の通り、既存のα9の特徴を引き継いだフルサイズミラーレスの最上位モデルで、プロの現場での撮影から納品までのワークフローを強力にサポートする機能を強化。欧州で10月発売とアナウンスされており、国内での発売日・価格も決定した。
有効約2,420万画素の積層型CMOS「Exmor RS」のフルサイズCMOSセンサーと、アップグレードされた画像処理エンジンBIONZ Xを搭載。最高20コマ/秒のブラックアウトフリー連続撮影や、最大60回/秒の演算によるAF/AE追従、最高1/32,000秒で歪みも抑えたアンチディスト-ションシャッターなどの高速撮影性能を実現する。
静止画・動画ともに最高5.5段分の光学式5軸ボディ内手ブレ補正機構を搭載。電子シャッター撮影時は、20コマ/秒連写でJPEG約361枚 / 圧縮RAW約239枚の連続撮影が可能で、スポーツ撮影などで被写体の一連の動きを捉えられるとする。メカシャッターの高速連写性能は、α9(約5コマ/秒)の約2倍の最大10コマ/秒に向上した。また、スポーツイベント撮影に便利な機能として、フリッカーレス撮影にも対応。蛍光灯や人工照明を自動的に検出して調整し、画質を最大限に高めるという。
AF性能においては、693点の像面位相差AFセンサーを撮像エリアの約93%に高密度に配置。新たに最適化されたAFアルゴリズムを採用し、安定したフレーミングが難しいシーンや動きと速度に緩急のある動体に対しても、追従安定性と精度の向上を実現する。AIを用いて動体を高精度に追従し続けるリアルタイムトラッキングと、人物や動物の瞳にフォーカスを合わせ続けるリアルタイム瞳AFにも対応する。
動画機能は、6K相当の情報量を凝縮し、フルサイズ領域で全画素読み出しによる4K(3,840×2,160ドット)動画の撮影に対応する。
新たに、USB 3.2 Gen1対応のUSB Type-Cコネクタを新たに搭載し(α9はmicroUSBのみ)、LAN端子は最高約1,000Mbpsの「1000BASE-T」(α9は「100BASE-TX」)に変更して、高速なデータ転送をサポート。PCアプリの「リモートカメラツール」でテザー撮影する際のタイムラグや、ライブビュー画面の画面遅延などを抑えるとする。カメラの内蔵無線LANは、α9の2.4GHzに加え、より高速な5GHz(IEEE 802.11ac)の帯域に対応。これらの機能強化により、リモート撮影やデータ納品時の高速データ転送を実現する。
また、音声情報を画像に添付する「音声メモ機能」を搭載し、撮影現場で撮影シーンや位置などの情報を音声データとして画像に付与し、編集に必要な情報を音声で提供できるようになる。
ボディの堅牢性や、撮影時の操作性なども強化。グリップ形状を見直し、重いレンズの装着時や長時間使用時も撮影者の負担を軽減するよう、ホールド性を向上させた。また、ボタンを押したときのクリック感や配置を調整し、ユーザーがグローブを着用していても快適な操作性を追求した。露出補正ダイヤルにはロックボタンを追加。後ダイヤルの操作性も改善した。ビューファインダーは約369万ドットのQuad-VGA OLED Tru-Finder。背面液晶モニターはチルト可動式で、タッチ操作にも対応する。
記録メディアはSDカードで、UHS-II対応のデュアルスロット。カメラ天面のマルチインターフェースシューには、ソニーの業務用カメラで採用しているデジタルオーディオインターフェースを追加し、別売の対応アクセサリー製品が使用可能。また、大容量Zバッテリーが利用でき、Zバッテリーを2個搭載可能な縦位置バッテリーグリップ「VG-C4EM」にも対応する。ボディ本体の外形寸法(グリップからモニターまで)は約128.9×67.3×96.4mm(幅×奥行き×高さ)、バッテリーとメモリーカードを含む重さは約678g。